コリアインサイト 韓国のゲーム市場は蘇るのか
2024.06.24 (月)
韓国のゲーム産業はコロナ禍以降、新作商品の発売延期や、人件費の上昇によって不振な状況が続いていました。しかし、今年の下期から来年にかけて大作ゲームの発売が相次いで予定されていること、さらにPCだけではなくコンシューマーゲーム(家庭用ゲーム機)といったプラットフォームの拡大によって、世界において市場の拡張やコストの効率化が図られると考えています。
今回は韓国のゲーム業界の今後についてお伝えいたします。
新作への期待感
今年の上期には、3月12日にオンラインゲーム企業のWEMADE(KOSDAQ: 112040)が「Night Crows グローバル版」を、5月8日にはモバイルゲーム企業のNetmarbleが「俺だけレベルアップな件:ARISE」をリリースしました。発売以来、1日当たりの売上高は「Night Crows グローバル版」が約40万ドル、「俺だけレベルアップな件:ARISE」が約150万ドルと好調なものとなりました。世界のゲーム市場において、韓国のゲーム市場が認められているのではないかと思われます。
先述の通り、下期以降も世界のゲーム市場のシェア拡大を狙うために、様々なジャンルにおいてゲームの発売予定が公表されています。
例えば、WEMADE(KOSDAQ:112040)からは「Legend of Ymi(レジェンド・オブ・ユミル)」、NEXONからは「The First Descendant」、KRAFTON(韓国:259960)からは「Dark and Darker Mobile」などが発売を予定されています。
※「Netmarble」、「NEXON」につきましてはアイザワで取扱っておりません。
大型IPOも待機
2024年7月、韓国のゲーム企業であるSHIFT UPが、韓国取引所への上場を予定しています。SHIFT UPはモバイルゲームの「勝利の女神:NIKKE」、コンシューマーゲームの「Stellar Blade」などを代表作とする企業です。同社の2023年の売上高は1,686億ウォン、営業利益は1,110億ウォンでしたが、その売上のうち86%が国外での売上となっています。「勝利の女神:NIKKE」の売上の地域別割合は日本59%、米国15%、「Stellar Blade」は売上の67%が欧州となっています。国外からの注目も高い同社の上場ですが、公募価格が提示された値幅の上限で決まれば、時価総額は3.5兆ウォンになる見込みです。
中国での販売も回復する見込み
2017年以降、中国では韓国コンテンツを規制する動きがありましたが、今年6月、韓国ゲームに対して販売の許可が出ました。当局との間で更なる協議が進んでおり、今後、中国市場でより多くの韓国のゲームが発売される可能性が高まっています。
一時期は下振れていた韓国のゲームですが、下期からはどのような展開となるのか期待されるところです。
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