初心者必見!株価に関する用語と株式指標
2021.10.04 (月)
この講義では、株価を見るときに知っておきたい基本用語と、株式市場全体の動きをつかむことができる株式指標について解説します。
株価を確認しよう
新聞やインターネットでは、日々の株価や株式市場の大きな動きなどを知ることができます。なかでも、証券会社などが提供している投資情報ツールでは、より詳しい情報を確認することができます。下図は、アイザワ証券グループのある日の取引を伝える情報ツールの画面を簡略化したものです。今回はこの図を使って、基本用語を見ていきましょう。
①証券コード
証券取引所に上場している株式には、4ケタの番号がつけられている(アイザワ証券グループは「8708」)。業種ごとにある程度の番号が決められおり、例えば4000番台は化学・薬品、6000番台は機械・電機、7000番台は自動車・輸送機、8000番台は金融・商業・不動産などとなっている。なかでも、下2ケタの数字が「01」の会社は、それぞれの業種の代表的な企業であることが多い。(※ただし日本の場合。海外の市場にも証券コードはあるが、市場ごとにルールが異なる。)
②銘柄
取引の対象となる株式や商品のこと。株式の場合はその会社の社名を指す。ここでは「アイザワ証券グループ」を指す。
③始値(はじめね)
その日の取引で最初についた株価のこと。「寄付(よりつき)」ともいう。
④高値(たかね)
その日の取引で一番高い株価のこと。
⑤安値(やすね)
その日の取引で一番安い株価のこと。
⑥終値(おわりね)
その日の取引で一番最後についた株価のこと。「引け(ひけ)」や「引け値(ひけね)」ともいう。また、午前の取引(前場(ぜんば))と午後の取引(後場(ごば))の区別をつけるため、前場の終値を「前引け(ぜんびけ)」、後場の終値を「大引け(おおびけ)」ということがある。
⑦前日比(ぜんじつひ)
前日(前営業日)の終値と比較し、株価が上昇している場合は「+」、下落している場合「-」などで表示する。例えば、ここでは「-9」とあることから、前日の終値1,094円から9円下落したことを示す。
⑧売買高(ばいばいだか)
その日に売買が成立した株数のこと。「出来高(できだか)」ともいう。例えばここでは売買高が「3万4,100株」とあるが、その日にアイザワ証券グループの株が3万4,100株買われたと同時に、3万4,100株売られたことを示す。売買高は人気を表すバロメーターであり、一般的に投資家に人気のある銘柄ほど売買高が多い。また、売買高の増減が株価に先行する傾向があることから、投資判断の材料としても使われる。
⑨売買代金(ばいばいだいきん)
株価に売買高を掛けて算出される。売買高と同じく投資判断の材料としても使われる。
⑩時価総額(じかそうがく)
株価に発行済み株式数を掛けて算出される。個々の企業の規模を図る指標の一つ。
投資に役に立つ用語のミカタ
「売買高」や「売買代金」は株価と密接な関係があります。これらの増減が株価に先行する傾向があることから、しばしば投資判断の材料としても使われます。
例えば、下落相場の最終局面で、売買高や売買代金を伴って大きく株価が値下がりすることを「セリング・クライマックス」といいます。これは投資家の大半が弱気になり、大量の売り注文が殺到している状態です。これにより投資家の売りが一巡すると、需給が好転し相場が上昇に転じるサインとされています。
株式市場の全体の動きを確認しよう
株式市場全体の大まかな動きが把握できる株式指標の一つに、「日経平均株価」と「TOPIX(東証株価指数)」があります。
日経平均株価
プライム市場に上場している銘柄のうち、各業種を代表する225銘柄で構成されています。日本経済新聞社が銘柄の選定と算出を行い、毎年10月初めに構成銘柄の定期入れ替えが実施されます。
基本的には構成銘柄の株価の平均で、単位は「円」で表します。ただ、指標としての連続性を維持するために、銘柄の入れ替えや株式分割などを考慮した上で調整し算出されています。「株式分割(かぶしきぶんかつ)」とは、文字通り1株をいくつかに分割して株数を増やすことをいい、株式の流動性を高めることなどを目的にしばしば実施されます。
TOPIX(東証株価指数)
「Tokyo Stock Price Index」の略。プライム市場に上場している全銘柄で構成されており、東京証券取引所(東証)が算出しています。
プライム市場全体の時価総額を、基準日である1968年1月4日時点の時価総額で割って算出され(ただし、基準日の時価総額を100とする)、単位は「ポイント」で表します。
このような算出方法から、日経平均株価は1株の値段(株価)が高い「値嵩株(ねがさかぶ)」の影響を受けやすく、TOPIXは時価総額が大きい大型株の影響を受けやすいという特徴があります。ただ、日経平均はわずか225銘柄を対象にしているのに対し、TOPIXはプライム市場の全銘柄を対象としているため、より相場全体の動きを反映しやすい指数であるといえるでしょう。
日経平均株価は31年ぶりの高値まで回復
1950年に日経平均株価の算出が開始されてから約70年。日経平均株価は、バブル期のピークである1989年12月に、史上最高値となる3万8,915円87銭をつけました。そして、コロナ禍の2021年2月、31年ぶりに一時3万円の大台を回復しました(2021年7月21日時点)。
景気下支えのために世界で大規模な金融緩和が進められるなか、ダブついた資金が株式市場に流れ込んでいるほか、コロナワクチンの普及による景気回復期待が株高を後押ししています。さらに、バブル期の史上最高値まではまだ距離がありますが、実は、ドルベースで算出した日経平均株価はすでに最高値を更新しています。日本株に投資する海外投資家の多くはドルに換算して運用を管理しているため、ドル建ての日経平均株価の高値更新は外国人投資家の強気姿勢の現れといえそうです。
今後、ポストコロナへと向かうなか、日経平均株価の堅調な推移は持続するのでしょうか。引き続き動向が注目されます。次の講義では、銘柄選びの参考となる「投資指標」について解説します。
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