コリアインサイト 新しいコンテンツの成長
2023.03.27 (月)
韓国だけではなく世界的なトレンドだと思いますが、楽しめるメディアとコンテンツが溢れて、足元ではテレビ視聴の需要が減少しています。その中で特に拡大が目立っているのがWebtoon(ウェブトゥーン)です。
このWebtoonとは韓国発のウェブコミックの一種で、パソコンやスマートフォンで閲覧できる漫画、ゲーム、YouTubeコンテンツなどに利用されています。
Webtoonの成長とそれに伴って拡大する派生産業についてお話したいと思います。
Webtoonの成長
韓国のWebtoon(以下:同)の成長と日本への参入(LINEマンガなど)については以前紹介したコラムでふれたことがありますが、直近は特に拡大が目立っています。韓国では、同コンテンツが最初に本格化しはじめた2013年頃から2021年まで、市場規模は約3倍弱に成長しました。
日本では同期間の拡大は、約80%強にとどまっています。拡大しているとはいえ、韓国の同コンテンツの市場規模は1兆ウォン程度とまだまだ小さいレベルで、成長余地は大きいといえるでしょう。また、同コンテンツの魅力は、熱狂的なファンが定着しやすいことです。
図のような好循環が期待できることも魅力です。
Webtoonから派生する市場
漫画の世界コンテンツ市場でのシェアは0.4%に過ぎません。しかし興行に成功した作品は、漫画の20~30倍の水準である映画、ゲーム、キャラクター、放送市場への拡大が容易です。世界で最も収益を作り出したコンテンツのうち、約7割が漫画又はアニメが原作でした。
日本のバンダイナムコも主要10種類の作品(ドラゴンボール、ONE PIECE、NARUTO、仮面ライダーなど)の多様なコンテンツを生産して売上の4~5割を賄っています。10~20年前の作品でここまで収益化できることを見ると、作品の戦略によってどれだけ長く生かせるかが分かります。
日本でドラマ化された「六本木クラス」も韓国でWebtoonがドラマ化したことによりネットフリックスで人気となり、さらに日本でリメイクされて再度人気化したものです。
韓国の関連会社
韓国のWebtoon関連プラットフォーム会社にはネイバー(NAVER)、カカオなどがあります。主要なプラットフォームはいずれもWebtoonを経由したサービス提供を行なっており、実際、ネイバーは147か国で同サービスを提供しています。カカオは世界でカカオウェブトゥーン、ピッコマなどを運営しているほか、その他の主要プラットフォーム会社でも、いずれもWebtoonを利用しています。
ネイバーとカカオは既に日本でも利用されていますが、今後はさらに拡大を目指すと予想されます。Webtoonの成長に伴なって、既存のコンテンツ市場の形も変わっていきそうです。
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