コリアインサイト 横ばいの韓国市場で躍進する銘柄たち
2024.05.27 (月)
韓国の株式市場は、高値更新が続く世界の株式市場と比べて横ばいの状態が続いています。例えば、米国のS&P500種指数やドイツ株価指数(DAX)などは、今年3月につけた高値を抜いてきました。しかし韓国総合株価指数(KOSPI)は3年前につけた3,296ポイント(終値ベース)の高値を更新できずに2,700ポイント台で推移しています。要因の一つに国内最大の時価総額を誇るサムスン電子が高値を更新できていないことが挙げられます。
このように韓国市場はやや精彩を欠いていますが、その中でも以前ご紹介した化粧品や食品関連の分野で目覚ましい成長を遂げている企業があります。今回はそれらの銘柄をご紹介したいと思います。
化粧品銘柄 「アモーレ・パシフィック(韓国:090430)」「コスマックス」
KOSPIとの株価比較チャート(2024年3月以来)
韓国の化粧品は近年中国向けの輸出が停滞しています。しかし中国を除く国・地域への輸出比率が年々高まっており、2020年に49%だった輸出比率は、2023年に61%、今年4月末時点で66%まで拡大しています。なかでも米国向けスキンケア製品の輸出増加は著しく、年初から4月までの輸出額は前年同期比で99%の成長を遂げています。
中国向けの輸出も復調であり、世界的な韓流ブームに乗って、今後ますます勢いを加速していくものと思われます。
※「コスマックス」はアイザワ証券で取扱っておりません。
食品関連銘柄「三養食品(サムヤンフード)(韓国:003230)」
KOSPIとの株価比較チャート(2024年1月以来)
三養食品は今年第1四半期の決算発表後、翌日にストップ高まで上昇しました。第1四半期の同社の業績を確認してみると、総売上高が前年同期比57.1%増の3,857億ウォン、営業利益は前年同期比235.8%増の801億ウォンを達成しました。主力製品の「ブルダック炒め麺」の販売が好決算に繋がりました。
筆者が聞いた話では、米国では「ブルダック炒め麺」が品切れでなかなか手に入らないそうです。誕生日に「ブルダック炒め麺」をもらい、嬉しさのあまり泣き出す少女の動画が一時話題になるほどでした。
今回ご紹介した銘柄はグローバル市場で実績を積み上げ、さらにベンチマークを上回るパフォーマンスを叩き出しています。内需市場の小さい韓国にとって、この方向性は正しいと思われます。
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