コリアインサイト 現代自動車グループが電気自動車へ大規模の投資を
2023.04.20 (木)
韓国の現代自動車が、国内の電気自動車向けに対し、2023年まで総額24兆ウォンの投資を行う、と発表しました。
韓国の他の自動車メーカーに比べ、同社は電気自動車へ力を入れているといえます。
同社の今後の投資計画や見通しなどについて考えてみたいと思います。
大幅増益見通しの現代自動車
現代自動車の2023年第1四半期業績は、営業利益が前年同期比50%以上増加の約3兆ウォン超えとなる見通しです。
第1四半期の実績としてはほぼ過去最高の水準です。
大幅増益見通しとなった理由としては
1)内需と北米市場での輸出が好調
2)グレンジャー、コナ、アイオニック6など、新車の価格が上昇していること
などが挙げられます。
また、半導体の需給が改善しつつあることや、主要市場である韓国と米国での販売が好調なことも大幅増益見通しの一因になっていると思われます。
今後、4月25日に発表される実績数値は、このたびの予想をさらに上回ってくる可能性が高いと思われます。
現代自動車グループの国内の投資計画
なお現代自動車の主要傘下企業である起亜自動車は、先月3月にハソン市で新工場の起工式を行いました。起工式には大統領も参加していることからみて、韓国政府も重要視しているといえます。
この工場の総面積は約3万坪、投資額は1兆ウォンで2025年下期の生産開始を予定しています。また、この工場は最先端のAI技術を活用することによって、生産性の向上を図っています。年間生産能力は15万台となる予定です。
現代自動車グループ全体では、今後毎年3~4兆ウォンを電気自動車に投資する予定です。
2030年には国内で電気自動車を約150万台生産、海外を含めたグローバル市場では300万台強を生産し、電気自動車の分野で世界3位になろうとしています。
このたびの投資計画を項目別にみると、最新分野への投資が目立ちます。
1)電動化ㆍ省エネ関連(電気自動車インフラ構築、生産体制改善、水素技術開発など)投資が16.2兆ウォン
2)新技術ㆍ新事業(ロボティクス、コネクティビティ、自律走行など)へ8.9兆ウォン
3)既存事業(内燃機関車の商品性改善)へ38兆ウォン
など、先端技術や前向きな分野への投資が目立ちます。
企業間の競争やシェア争いが激化している世界の自動車業界で、今の勢いを維持していけるか、同社の投資計画、動向を引続き注目しておきたいと思います。
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