コリアインサイト 世界に広がり続ける韓流ブーム
2023.01.04 (水)
2022年は韓流ブームのジャンルがより広がった1年でした。韓流ブーム初期の頃のドラマから音楽(K-POP)、そして昨年は食品やウェブ漫画にまで広がりをみせました。さらに、各ジャンルのシナジー効果も生まれています。例えば、映画やドラマが流行した国で、それらに出てきた食品が注目され人気グルメとなりました。
韓国の音楽・映像の貿易収支は、2020年に黒字転換し、その後黒字幅を急拡大しています。2023年の「韓流」はこの流れを引き継ぎ、より多くのモノが世界で楽しまれる展開になると思われます。
韓流ブームのジャンルと規模が拡大
韓国のコンテンツは世界に拡大しています。音楽・映像の著作権貿易収支は、2020年初めに黒字転換し、2021年は前年比3.8倍増となりました。また、音楽・映像の著作権使用料は、2022年1月~9月に前年同期比31%増の10億米ドルに達しました。これまで、主にアジア内に留まっていた韓流ブームが欧米に拡大したことも追い風となっています。
韓国ドラマはOTTチャンネルの欠かせないコンテンツに
ネットフリックスやディズニーチャンネルなどの動画配信サービス(OTT)は、韓国ドラマが世界普及するきっかけとなりましたが、今や欠かせないコンテンツの一つとなっています。
今後それらで公開を控える主な50のコンテンツうち、13件を韓国のコンテンツが占めています。そのほか、以前の記事(K-Beauty(韓国コスメ)人気に注目)でも取り上げましたが、ネットフリックスの各国視聴率において、トップ10圏内に多くの韓国ドラマがランクインしています。
コンテンツが韓国食品の人気に火をつける
韓国の三養食品が製造するインスタントラーメン「ブルダック炒め麺」の海外売上高は、2016年の931億ウォンから2021年に3,886億ウォンまで拡大し、2022年1~9月期は4,507億ウォンとなりました。「ブルダック炒め麺」の人気に火をつけたのは、韓国のアイドルグループのBTSでした。YouTubeでBTSが「ブルダック炒め麺」を食べる様子が映り、これを見た海外のファンたちが手に取ったのです。
また、カンヌ映画祭や米アカデミー賞などで受賞し話題を集めた韓国映画「パラサイト」でも、劇中に出てきた「チャパゲティ」が注目されました。
これらによって、韓国の主要食品メーカー5社の海外売上比率は、2018年の40%台半ばから2022年には50%台半ばまで拡大しています。
主なコンテンツ制作会社と食品メーカー
2023年は世界で競争力を高めている韓国のコンテンツ会社と食品メーカーに注目したいと思います。
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