マーケットのミカタ PMIの悪化と景気後退懸念の高まり
2022.07.27 (水)
PMIの悪化と景気後退懸念の高まり
7月22日に、アメリカのS&Pグローバル社が、7月の世界各国のPMI(購買担当者景気指数)を発表しました。PMIは企業に対して受注・生産・雇用などの状況をアンケート調査でヒアリングし、その結果を景況感として指数化したものです。数か月先の景気動向を反映する重要な先行指標で、指数が50以上で景気拡大、50以下で景気減速を示唆します。
今回は、主要国である日本・アメリカ・ユーロ圏のPMIを見ていきましょう。
日本のPMI
7月の日本のPMIは製造業と非製造業共に前月から低下しました。特にサービスなどの非製造業が大きく低下しました。
アメリカのPMI
7月のアメリカのPMIは非製造業が52.7から47.0に大きく低下し、市場予想の52.7を大幅に下回りました。特にサービス業の悪化が大きく、世界の景気見通しを一層不透明にする結果になりました。
ユーロ圏のPMI
7月のユーロ圏のPMIは製造業が52.1から49.6に大きく低下し、市場予想の51.0を下回りました。非製造業も53.0から50.6に低下し、市場予想の52.0を下回りました。
世界経済の停滞は長期化する可能性も
全体的に見ると、7月のPMIは多くの国や地域で予想を下回る低下となり、世界的な経済の先行きをより不透明にする結果となりました。今後、企業や個人の購買力が低下することで、経済の低成長が長期化する可能性にも考慮する必要がありそうです。
株式市場においては「独自の製品やサービスを持つ企業」「市場シェアが高く価格転嫁できる企業」「原材料費の高騰の影響を受けにくい情報通信業」「財務が健全で利益率が高い企業」などの相対的な優位性が高まることが考えられます。
- 当記事は、アイザワ証券のラップサービスの一つ「スーパーブルーラップ」のファンドマネージャーである三井郁男が作成したレポートを、添田恭平が再構成したものです。
- 「スーパーブルーラップ」の詳細はこちらから
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