マーケットのミカタ ベアマーケットラリーの到来
2022.07.05 (火)
ベアマーケットラリーの到来
世界の景気に悪化の兆しが出始めています
世界最大手の格付け機関であるアメリカのS&Pグローバル社が、日米欧の6月の購買担当者景気指数(PMI)を発表しました。PMIは企業に対して受注・生産・雇用などの状況をアンケート調査でヒアリングし、その結果を景況感として指数化したものです。数か月先の景気動向を反映する重要な先行指標で、指数が50以上で景気拡大、50以下で景気減速を示唆します。まずは日米欧のPMIのグラフを見てみましょう。
6月のPMIは、アメリカとヨーロッパは前月から大きく低下し、日本は引き続き上昇しました。現在、アメリカとヨーロッパでは急激な金融引き締め政策が実施されており、企業においても景気後退懸念が高まっていることが考えられます。
一方、日本ではサービス業が牽引する形でPMIが上昇しました。コロナ後の経済正常化による景気の回復期待が高まっていることが考えられます。
アメリカの株式市場は4週間ぶりに上昇しました
6月20~24日のアメリカ株式は、4週間ぶりに大きく上昇しました。まずはアメリカの主要株式指数であるS&P500指数のグラフを見てみましょう。
グラフを見ると、アメリカの株式市場は年初から下落トレンドが続いていましたが、6月中旬から反発して上昇に転じていることが分かります。株式市場では、下落トレンドの最中に時折反発して上昇に転じることがあり、これを「ベアマーケットラリー」といいます。株価の反発がどこまで続くのかは予測が難しいですが、1つの目安として「半値戻し」が挙げられます。半値戻しには、半分戻せたなら全部戻せるという解釈と、半分戻したなら欲張らずにそこで売ったほうが良いという正反対の2つの解釈がありますが、今回は下落リスクが長期的に継続する可能性が高いため、後者の解釈で考えた方が良いかもしれません。
- 当記事は、アイザワ証券のラップサービスの一つ「スーパーブルーラップ」のファンドマネージャーである三井郁男が作成したレポートを、添田恭平が再構成したものです。
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