コリアインサイト 人口構造の変化による消費パターンの変容
2023.08.25 (金)
韓国では一人暮らし世帯の増加から、個人の自己満足のための消費が増えています。国内の人口は2021年から2年連続で減少しており、少子化が社会問題となっています。結婚しないまま、一人暮らしを楽しむ若者世代が増えることで飲食業界や化粧品業界では新たなトレンドが見受けられます。今回は韓国の消費行動の変化について考えてみたいと思います。
韓国にも「おまかせ」が
日本では既にある消費行動かと思いますが、最近韓国では食事の場面で、ただ食べるだけでなく、“特別な体験をしたい”ニーズが高まっています。日本で有名な「おまかせ」は韓国でも流行っています。鰻、寿司、刺身だけでなく、韓国料理にも「おまかせ」があります。値段も数千円から数万円と様々ですが、特別な体験のためにためらうことなくお金を使う人が増えています。富裕層向けの高級レストランも人気で、一か月前から予約をしないと席が取れないことも珍しくありません。市場調査会社のトランドモニターによれば、「高くても高級レストランを訪れたい」と答えた人はおよそ8割に上りました。
お酒の飲み方も変化しており、ストレートやロックで飲むだけでなく、ソーダなどで割って飲むことも増えてきました。例えばウイスキーは、日本の飲み方であるハイボールとして広く飲まれるようになってきています。ウイスキーは、今年上半期に過去最大の輸入量を記録しました。アサヒビールの生ジョッキ缶も品切れで、現在も買えない状況が続いています。
韓国メイクと若者のコト消費
外見を整えるだけでなく、肌の健康を大切にする化粧品への関心が高まっています。スキンケアを大事にする韓国メイクは、韓流とともに世界中で人気があり、韓国国内でも支持を得ています。またSNSを通じて広告効果が短時間で広がるため、化粧品のオンライン販売が増えています。コト消費を重視する若い単身世帯の増加も一因と思われます。韓国の調査機関のOpensurveyによれば、化粧品のオンライン購買の浸透率は韓国で91.8%、米国で75.4%、日本で57.8%となっています。
少子化、そして晩婚化は今後も続くと考えられ、消費行動は過去のものとは異なると思われます。
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