マーケットのミカタ 米国の業績見通しと住宅市場
2022.10.06 (木)
米国の業績見通しと住宅市場
アメリカ企業の業績見通しは下方修正懸念が高まる
世界的なインフレと各国中央銀行による急激な金融引締めなどにより、世界景気の減速懸念が高まる状況が続いています。主要なアメリカ企業についても、足元の状況を受けて今後の業績見通しについて懸念を公表しています。まずは、直近公表された主要企業のニュースを振り返りましょう。
上表から、金融引締めに伴う景気減速や、ウクライナ戦争、物流混乱に伴うインフレなどを背景に、多くの企業において今後予想される業績への悪影響が顕在化してきていることが分かります。
アメリカ企業の業績発表が本格化する10月中旬にかけて、業績予想の下方修正などのニュースが更に増えていく可能性があります。
アメリカの住宅市場は調整局面入り
アメリカでは今年3月より、中央銀行による急激な金融引締めが実施されていますが、住宅市場ではその効果が表れ、調整が始まっています。まずはアメリカの住宅ローン金利と住宅価格の推移を見てみましょう。
アメリカでは、金融引締めに伴い住宅ローン金利が急上昇し、それにより住宅の購入意欲が低下することで住宅価格が下落しています。不動産の価値が低下することは、不動産を保有する人々の資産価値を低下させ、労働市場から撤退していた人々を復帰させることに繋がる可能性があります。労働市場に人々が戻ることは賃金上昇を抑制し、インフレ圧力の緩和に繋がります。
足元では主要アメリカ企業の業績下方修正懸念がありますが、雇用統計などからインフレ圧力の緩和を示唆する経済指標が続けば、下落が続いている株式市場の反発要因になる可能性があります。
- 当記事は、アイザワ証券のラップサービスの一つ「スーパーブルーラップ」のファンドマネージャーである三井郁男が作成したレポートを、添田恭平が再構成したものです。
- 「スーパーブルーラップ」の詳細はこちらから
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