アジア株週間トピックス 2024年2月19日号
2024.02.19 (月)
2月14日にインドネシア大統領選挙で、プラボウォ氏が勝利
プラボウォ氏・ギブラン氏組が過半数を確保か?
2024年2月14日、インドネシアで有権者数2億人強を擁する「世界最大級の直接選挙」とも呼ばれている大統領選挙の投開票が行われました。驚くべきは、国民の関心の高さで、投票率は約90%前後になったようです(現地報道)。日本と比べるとかなり高いといえるでしょう。
総選挙管理委員会(KPU)の公式発表ではありませんが、各種機関の集計では1位と2位の候補者の得票率は大差がついています。インドネシアの有力紙「コンパス」の速報によると、1位:プラボウォ氏 58.7%、2位:アニス氏 25.1%、3位:ガンジャル氏 16.17%となっています。プラボウォ氏の勝利はほぼ確定とみてよいでしょう。
選挙選で同氏は「ジョコ路線を継続する」ことを政策の柱においたことが、ジョコ大統領支持者票の獲得につながったとみられています。ジョコ氏の⾧男であるギブラン氏を副大統領候補に据えた戦略も奏功したといえるでしょう。大統領交代後も、政策に大きな変化がないと思われます。
2024年8月の独立記念式典に向けて、急ピッチのインフラ事業進む
2014年・2019年の前2回の大統領選挙で、プラボウォ氏はジョコ氏に敗北しましたが、選挙で開票プロセスに不正があったとして選挙の無効を訴え、選挙後の政局混乱につながりました。今回は前2回のような混乱がなく、すんなり結果が確定することとなりそうです。
KPUによる正式発表は3月20日までに行われる予定です。まだ、現時点では新政権の政策方針などが示されているわけではありませんが、選挙後のインドネシア株式市場では、銀行、セメント株などの値上がりが目立っています。政局、経済の正常化、インフラプロジェクト進ちょくで関連業種に対する期待が高まっていると思われます。ジョコ第2政権では、「2024年8月の独立記念式典を新首都のヌサンタラで行う」との政府宣言がおこなわれており、おおむねこの期日にあわせるべくインフラ事業が急ピッチで進められていると思われます。
2045年の「インドネシア独立100周年」に向けて産業高度化が必須か?
そのほか、2045年は「インドネシア独立100周年」にあたる節目の年です。この節目の年に向けて、インドネシアは「一人当たりGDPを2万ドル超にして、先進国の仲間入りする」という⾧期目標を掲げています。目標を達成するために、労働生産性を向上させる、規制緩和を進める、産業を高付加価値化する、などいくつかの手段を掲げていますがいずれも容易な問題ではありません。インフラ西部など低付加価値の産業から一歩踏み込んだ、産業の高度化が重要になってきそうです。
最後にインドネシアで注目する個別株のコード、事業概要などをご紹介します。投資する際の参考にしてください。
中⾧期投資で狙いたいインドネシアの主力大型株
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