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以新伝心 自動車業界の未来

2025.03.31 (月)

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以新伝心 自動車業界の未来

自動車業界の未来

昨年末に発表されたホンダと日産自動車の経営統合を睨んだ動きは、三菱自動車もあとから参加する可能性まで話は膨らみ、多くの投資家の関心事となったものの数か月後には撤回された。あまりにも短期間の出来事であったが、この事例が日本の自動車産業に与えたインパクトは大きい。ホンダと日産自動車の経営統合と言えば聞こえは良いが、実質的にはホンダによる日産自動車の救済劇であった。日本の自動車業界は本格的なEV社会の到来により大きく揺れている事例といえよう。

自動車業界は再編の幕開け?

かつて日産自動車は「技術の日産」と呼ばれ、日本を代表する自動車会社であった。その日産自動車の先行きが不安視されている。ホンダとの経営統合の話は一旦白紙となったが、単独での生き残りは厳しいとの見方が根強く、各種メディアからは台湾のホンハイ、米テスラといった海外企業からの出資話が報道されている。

今回は日産自動車の先行き不安が大きく報道されているが、問題は何も日産自動車だけではないだろう。自動車が従来のエンジンからモーターにシフトするEV(電気自動車)の波により、中国勢やテスラといった新興勢力が台頭、日系自動車メーカーの脅威となっている。「このままでは生き残りは難しい」これが日系自動車メーカーの共通認識であろう。日本では中国EVは全く馴染みがないが、中国では急速に台頭し、今後はグローバルサウスとよばれる新興国を中心に普及することが予想される。

今年1月に開催されたオートモーティブワールドにて、中国の最新EVであるBYDのシーガルとNIO ET5にふれる機会を得たが、日本企業にできて中国企業にできないことはなくなってきているとの印象を強めた。家電に続き、将来は自動車も中国勢に席巻されてしまう可能性は現実問題として高い。今回のホンダ・日産自動車の統合騒動により日系自動車メーカーの生き残りをかけた再編の幕開けとなった印象である。

中国最新EV BYD シーガル 実車展示

中国最新EV NIO ET5 分解展示

※「以新伝心」は、新しい出来事に着目し、心に伝えることをコンセプトにしたコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。

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