アジア株週間トピックス 2023年12月11日号
2023.12.11 (月)
12月7日に中国が2023年11月の輸出入を発表
中国と台湾が2023年11月の経済指標を発表
12月7日、中国が2023年11月の輸出入データを発表しました。中国の輸出入は、世界の貿易総額の多くの比重を占めており、世界の貿易を占ううえで重要な指標です。
これまでは前年比2ケタの伸びが当たり前という状況でしたが、ここ数年は低迷気味で、世界貿易縮小の一因となっています。今回発表された数字は、輸出が前年同月比+0.5%、輸入は前年同月比-0.6%で、輸出入ともに停滞しているといえるでしょう。
中国経済全体としては最悪期を脱していると思われますが、来年1月に実施される台湾総統選挙の結果次第では、中台関係がこじれる可能性もあります。今の中国と台湾の関係は不安定で、台湾の総統選挙後に緩和されることを期待したいものです。
また、台湾では12月6日に2023年11月のCPI(消費者物価指数)が発表されました。結果は前年同月比+2.90%と、5か月ぶりに若干水準が鈍化していますが、まだ安心できるレベルではありません。
また、台湾には多くのハイテク企業が集積しているため、ハイテク市況の先行きをみるうえでは、台湾政府や主要企業が発表する経済指標や企業業績を追っていく事が重要です。今後も引続き警戒心を持ってみていきたいと思います。
フィリピンとインドネシアで相次いで地震、火山噴火
フィリピンで地震、インドネシアで火山が噴火
12月2日、フィリピンでM7規模の大地震が発生しました。続く3日にもM6を超える地震が発生した他、同日にインドネシアの西スマトラ州のマラピ火山で大噴火が発生。死者、行方不明者などが多く出て、政府は対応に追われています。
フィリピン、インドネシアは、これまでも台風、火山噴火、津波など、自然災害が頻繁に起こっている国ですが、今回も経済的なダメージは大きいと思われます。特にインドネシアは現在大規模な首都機能移転プロジェクトをすすめており、計画の進ちょくに影響が出ないか、政府の対応が注目されます。
インドネシアのプラボウォ氏は今回の大統領選に負ければ引退か?
また、来年2月のインドネシア大統領選には、プラボウォ・スビアント氏が出馬を表明しています。プラボウォ氏は2014年、2019年と2回の大統領選にも出馬してジョコ氏に敗れたため、今回は3度目の正直を目指しています。
前2回の大統領選では、ジョコ氏と僅差で「負けを認めない、再集計すべきだ」などと主張して選挙を混乱させるなど、あまり良い印象を持っていませんでしたが、対外的にはっきりと主張できる人物、という点で直近は個人的に少し評価しています。プラボウォ氏は、今回の選挙に敗北すれば引退する、という意向をほのめかしており、どのような結果であっても前2回の大統領選のような混乱はないと思いますが、いずれにしても来年2月の大統領選の行方は注目といえるでしょう。
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