アジア株週間トピックス 2022年10月7日号
2022.10.07 (金)
OPECプラスは大幅減産を決定
OPECは2020年4月以来の大幅減産に
OPECとロシアなど非加盟の産油国でつくるOPECプラスは、10月5日に閣僚会合を開き、11月の原油生産を10月に比べて日量200万バレル減らすことを決定しました。減産幅は2020年4月会合の1000万バレル以来の大きさとなります。
足元の実際の生産量は計画ペースを大幅に下回っていることから、今回の決定の影響は限定的ではないかとの見方もありますが、当面は原油高、インフレ警戒が続くと予想されます。
米国の中間選挙や世界各国の物価への影響も
11月に中間選挙実施を控えている米国・バイデン政権はこれまで、国内のガソリン価格抑制のために、OPECプラスに対して再三、増産を求めていました。
このたび大幅減産が決定したことによって、OPECを主導するサウジアラビアと米国との関係悪化、バイデン大統領への不満の高まりにつながる可能性もあります。当面、世界的インフレに対する警戒、米国国内の不協和音が強まりそうです。
インドネシアの9月CPIは前年同月比+5.95%に
インドネシアは2015年10月以来のインフレ水凖に
10月4日にインドネシアが発表した9月のCPI(消費者物価指数)は、前年同月比+5.95%でした。2015年10月以来のインフレ水準となっています。世界的な流れとはいえ、インドネシアはGDPに占める個人消費の比重が大きく、物価高が経済に与える影響は大きいと思われます。
10月1日に、インドネシアで実施されたサッカーの試合後には、サポーターと警官隊などが衝突、死者125 人という大惨事となりました。直接関係はありませんが、国民の不満が高まっているなかで、一つの象徴的出来事であったといえます。当面、物価高や国民の不満への対応が、ジョコ政権にとっての重要な課題となりそうです。
今後、10 月20 日に、インドネシアは定例の政策金利決定実施を予定しています。直近は2会合連続で利上げを実施、現在の政策金利は4.25%となっていますが、さらなる利上げに踏み切るか、当局の判断が注目されます。
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