アジア株週間トピックス 2022年9月30日号
2022.09.30 (金)
タイは0.25%の利上げを決定
タイは今年2回目の利上げを発表
9月28日にタイは金融政策委員会を実施し、0.25%の利上げを発表しました。今年2回目の利上げで、政策金利は0.75%から1.0%に変更されました。
今後10月5日には9月のCPI(消費者物価指数)の発表が予定されています。直近8月のCPIは前年同月比+7.86%と他国と比べても高インフレとなっています。今後もインフレ高止まりが続く見通しで、高インフレのなかで金融引き締め基調が続く可能性が高いと予想されます。
悪材料が多い中でタイ政府は、2022年10 月から国内外の往来規制を一部緩和しました。当面、アメとムチを両立させながら難しい政策運営が続きそうです。
世界的な通貨不安定化のなかで、インドネシアルピア安が進行
インドネシアの通貨は2020年以来のルピア安水準に
直近インドネシア・ルピアの対米ドルレートは2020年以来の水準まで下落しており、2022年9月(28日時点)の月間騰落率は2.55%に達しています。
もともと、インドネシアの通貨はフラジャイル5通貨のひとつと称され、直近の英国ポンドの下落のように世界的に通貨が不安定になっている時期には、軟調に推移する傾向があります。当面は売り圧力の強い状況になると予想されます。
今後、大統領選、 首都機能移転計画通過後の経済正常化への期待も
なお、2024年のインドネシア大統領選に向けて、徐々に出馬に関するニュースが出始めています。インドネシアでは大統領の3選が禁じられているため、現在2期目のジョコ大統領は2024年の大統領選挙には出馬できません。前回、前々回の大統領選時にはぎりぎりまでもめましたが、2024年大統領選の有力候補として大統領はブラボウォ、副大統領はジョコです。すんなり決定してほしいものです。
また、⾧期の国家的事業として、現在インドネシアでは首都機能移転計画が進められています。インドネシアの首都機能をジャカルタからカリマンタン島東部に移転させる大事業です。コロナ禍、成⾧率悪化のなかでスケジュールの遅れはありますが、この計画を遂行することで、新しい都市機能、インフラ需要の創出など多くの効果が期待されます。この国家的事業を遂行させるためにも、大統領人事の早期確定、経済安定化が期待されます。
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