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債券と株式の違いとは?メリット・デメリット、向いている人の特徴も解説

2025.04.09 (水)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

債券と株式の違いとは?メリット・デメリット、向いている人の特徴も解説

債券と株式はどちらも投資対象として代表的ですが、その仕組みやリスク、得られるメリットは大きく異なります。「投資を始めたいけど、債券と株式の違いがわからない」そんな投資初心者の方も多いのではないでしょうか。今回は、債券と株式の違いの5つのポイントと、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

債券と株式の違いとは

債券と株式は、代表的な金融商品です。両者には特徴や利益の種類に違いがあります。ここでは、債券と株式の主な違いを5つのポイントに分けて詳しく解説します。

違い1|利益の種類

債券は国や企業、地方自治体などが資金を借り入れる際に発行する有価証券です。投資家はお金を貸し付ける立場になります。一般的に、あらかじめ設定された金利が定期的に支払われ、満期に元本が返済される特徴があります。満期まで保有することで比較的安定した金利収入(利益)を得られるのは大きな魅力です。
株式投資のような急激な値動きに不安がある投資家にとって、債券はポートフォリオの安定要素として活用されることが多い傾向にあります。

一方、株式は企業が資金調達を行うために発行し、投資家はその企業の株主として投資する形になります。株式投資の主な利益は、株価の値上がりによる売却益と、企業が利益の一部を株主に分配する配当金です。
そのほか、株主優待や保有する株数に応じて議決権などの権利を得ることもできます。ただし企業によって配当や株主優待の有無、金額は異なります。

株式は債券よりも価格変動が大きく、その分リスクも高いとされています。企業業績や市場の状況によって株価は変動し、配当金も企業業績によって変動するため、株式投資を行う際には業績や市場環境をしっかりと見極める必要があります。

債券は安定した金利収入を、株式は売却益や配当金を狙うという観点で利益の種類に違いがあります。

違い2|満期の有無

多くの債券には満期(償還期限)が設定されており、原則期限が到来すると発行体が投資家に元本を返済します。金利は定期的に受け取る形になるため、投資期間が明確化しやすい点がメリットといえるでしょう。途中で売却することも可能ですが、そのときの市場価格によっては元本割れのリスクもあります。

一方、株式には満期がなく、投資家が売却のタイミングを自由に決められます。長期保有をすることで配当に加えて株価上昇によるキャピタルゲインを狙う方法や短期売買で小さい値幅を積み重ねる手法も選択可能で自由度が高いのが特徴です。

満期の有無による運用期間の違いは、投資家のライフイベントや資産運用計画にも影響を与えます。安定収入を確保したいなら満期のある債券を主体とし、より積極的な運用をしてみたい場合には株式を組み入れるのも一案です。

違い3|最低投資額

債券投資と株式投資では、必要な最低投資額も異なります。

債券の場合、個人向けに発行されている国債は、1万円から購入可能です。少額から投資を始められ、投資初心者でも比較的始めやすい債券投資の一つです。ですが種類によっては発行単位が大きく設定されていることも多く、数百万円単位で資金が必要になる場合もあります。少額投資ができる商品も存在しますが、種類や発行体により購入単位が異なる点に注意が必要です。

株式投資の場合、多くの株式は100株単位での購入が基本であり、株価によってはまとまった資金が必要になることがあります。例として、1株1,000円の株式を購入する場合は、最低でも10万円の資金が必要です。一方で、株式を1株から購入できる商品サービスやミニ株と呼ばれる制度が近年普及し、証券会社によっては小額から株式投資をスタートしやすい環境にもなりました。投資を始める金額を抑えながら練習感覚で市場に参加できるため、初心者がまず試す投資先としても注目されています。

どちらにおいても、自己資金とリスク許容度に見合った初期投資額を決定することが重要です。購入単位が大きいかどうかだけでなく、投資後の運用を続けられるかも検討して投資していきましょう。

違い4|流動性

流動性とは、投資した資産を現金化しやすいかどうかを表す指標で、投資家にとって重要な要素の一つです。

債券は満期前に売却することもできますが、取引量が限られている場合が多く、現金化したいタイミングで売買相手が見つかりにくいことがあり、発行元や種類によっては換金できる時期が制限される場合があります。そのため、債券は株式に比べて流動性が低い傾向にあるといえるでしょう。満期まで保有するつもりであれば流動性はさほど問題になりませんが、急に資金が必要になった場合、市場価格が思わぬ安値になっているリスクを考慮する必要があります。

一方、株式は、証券取引所の取引時間内なら、基本的にいつでも売買が可能です。銘柄によっては日々の出来高が少なく、急場で売りづらいケースもあるため、必ず売買できるわけではないという点においては注意が必要ですが、一般的に債券と比較すると流動性が高い金融商品といえます。

流動性の違いは、現金化を希望するタイミングに影響を与えるため、両者の特徴を十分理解した上で、目的に応じた選択をすることが大切です。

違い5|リスクの特性

債券と株式は、それぞれ異なるリスクの特性を持ちます。

債券のリスクは、主に信用リスクと金利変動リスクです。発行体の信用力が下がれば債務不履行に陥る可能性があり、さらには市場金利の上昇で発行済みの債券価格が下落することもあります。
原則満期時には元本が支払われ定期的に金利を受け取るため、発行体が債務不履行にならない限り、安定した収益が期待できます。
債券価格は、株式に比べて安定した値動きを示す傾向があり、定期的な金利収入も得られるため、安全性を重視する投資家に向いているといえるでしょう。

一方、株式のリスクは価格変動リスクが大きいことが特徴です。企業の業績や景気動向、株式市場全体のセンチメントなどにより大幅な価格変動が起こり得ます。高リターンを狙える反面、大きく損をする可能性もある点を理解しておきましょう。
また、外国債券や外国株式の場合、いずれも為替変動リスクがあります。為替相場の変動によって、外貨建て資産を円換算する際に損益が生じる可能性のことです。円高になると円に換金する際に換算金額が少なくなることをいいます。

債券投資も株式投資も、投資家にとってはどういったリスクを許容できるかが重要な判断基準となります。元本保全を重視する傾向が強ければ債券、より高い成長を求めるなら株式など、目的別に使い分けることでリスクをコントロールしやすくなります。

一般的には、「ローリスク・ローリターン」の債券と「ハイリスク・ハイリターン」の株式という、リスク特性の違いがあります。また、国内商品か外国商品かの違いによってもカントリーリスクの高低など特性に違いがあります。

債券投資と株式投資のメリット

債券投資と株式投資それぞれのメリットについて解説します。どちらの投資方法にも独自の長所があり、投資家の目的やリスク許容度に応じて選ぶことが大切です。

債券投資のメリット

債券投資のメリットは、安定した収益とリスクの低さです。

債券は基本的に満期が設定されており、その期日には元本が返済される仕組みになっているため、長期的な資金計画を立てやすいという特徴があります。特に国債のような信用力の高い債券であれば、満期時の元本保証は概ね確実といえるでしょう。
さらに、定期的に利子が支払われるため、安定したキャッシュフローを見込めます。現在の超低金利時代では、預貯金の金利が0.1%程度であることを考えると、社債などで得られる年1〜2%の利回りは魅力的な水準です。

債券投資はリスクを抑えつつ、安定した収益を求める投資家にとってメリットのある選択肢といえます。

株式投資のメリット

株式投資のメリットは、債券と比較して高いリターンが期待できる点です。

株式は企業の所有権の一部であり、企業の成長にともなって、株価の上昇や配当金の増加が見込めます。
株式は満期が設定されておらず、保有期間に制限がないため、短期で高い利益を狙えるチャンスがあります。
また、株主優待がある企業であればその制度を活用することで自社製品やサービスの特典を受けることも可能です。

このように株式は、リスクを取りながらも大きな資産形成を目指す投資家に適した投資方法といえます。

債券投資と株式投資のデメリット

債券投資と株式投資には、それぞれデメリットも存在します。投資をする際には、リスクや制約についても十分に理解しておく必要があります。

債券投資のデメリット

債券投資のデメリットは、株式投資と比較してリターンに限界がある点です。

債券は、満期時に元本が返済されることが前提のため、株式のような大きな価格上昇は期待できません。
また、債券には金利変動リスクや信用リスクもあります。金利変動リスクは、市場金利が上昇すると債券価格は下落するため、満期前に売却する必要が生じた場合、元本割れを起こす可能性があります。

信用リスクは、発行体が債務不履行に陥り、元本や利子が支払われなくなるリスクです。
債券投資は安定性を重視する投資家に向いていますが、リターンに限界があることやリスクが潜んでいることも理解しておきましょう。

株式投資のデメリット

株式投資のデメリットは、価格変動リスクです。

企業の業績や経済状況、政治情勢などの影響で株価が大きく変動し、投資元本が減少する可能性があります。また、投資先の企業が倒産する信用リスクも無視できません。企業が倒産した場合、投資した資金が回収できなくなる可能性があります。
さらに、分散投資の必要性もデメリットのひとつです。リスクを軽減するためには、複数の異なる業種の株式に投資する必要があり、個別銘柄選定に多くの時間と労力を要します。
加えて、売買タイミングの難しさも欠点としてあげられます。株価の変動を予測することは困難であり、最適な売買タイミングを見極めるには継続的な市場分析が欠かせません。売買の判断を誤ると大きな損失につながる可能性もあります。

債券投資と株式投資どちらを選ぶと良い?

債券投資と株式投資、どちらを選ぶべきかは目的やリスク許容度によって異なります。
安定した収益を求める方は、定期的な利息収入が期待できる債券投資、リスクを取ってでも高いリターンを狙いたい方は、価格変動が大きい株式投資を選ぶのが良いでしょう。
債券と株式のどちらか一方だけでなく、両者を組み合わせることで、リスクを分散し、安定した資産運用を目指す「分散投資」もおすすめです。それぞれの投資方法は、市場環境によって異なる値動きをするため、リスクを分散しながら適切なリターンを目指すことができます。

まとめ

債券と株式は、利益の種類やリスクの特性など、それぞれの特徴に違いがあります。債券は安定性を重視する方に、株式は高いリターンを求める方におすすめです。両者の違いを理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて選択しましょう。

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