アジア株週間トピックス 2023年4月7日号
2023.04.07 (金)
「OPECプラス」が協調減産を決定
想定外のタイミングで減産を発表
今年4月2日にOPEC(石油輸出国機構)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の会合が実施され、協調減産が発表されました。もともと、このたびの会合が実施される前には「OPECは今年下期には生産を増やす必要がある」と示唆していたため、市場関係者は減産をあまり想定していなかったと思われます。予想外の減産発表は原油相場の上昇をまねいており、市場の不安定材料につながっています。当面、原油価格の動向、インフレに対する警戒が強まりやすいと予想されます。
世界的金融政策転換の足かせに?
世界各国ではここ数年続いていたインフレ、利上げ連鎖の流れがようやく沈静化しつつありましたが、3月に突如表面化した米国大手銀行の破たんによって世界の金融市場が不安定化しています。この状況の中でOPEC プラスが想定外の減産を発表したことで、市場の先行き不透明感がさらに強まっています。
今後の物価への影響をふくめて、原油市況の動向も警戒しておく必要がありそうです。
インドは政策金利(レポ金利)を6.50%に据え置き
インドは予想外の金利据え置きに
インド準備銀行は4月6日に金融政策委員会を実施しました。インドはこれまで6会合で利上げを実施しており、このたびの会合でも利上げするのでは、とみられていましたが、予想外に6.50%で据え置きとなりました。インド当局は景気へのマイナス部分に配慮したといえるでしょう。
なお、4月4日にアジア開発銀行(ADB)が「アジア経済見通し 2023年4月版」を発表しました。
アジア・太平洋地域の2023年、2024年のGDP成⾧率は4.8%と、2022年の4.2%から改善するという予測を示しています。この予測には国別データも発表されていますが、比較的好調な予測が目立つのはインドです。GDP 成⾧率が2023年:6.4%、2024 年:6.7%となっています。この予測が発表された時点では「インドは内需が好調で国内市場規模も大きい」という点が、インドを評価する大きなポイントとなっていました。
しかし、このたびの金利据え置き決定やOPECの減産など、想定外の発表が行われていることで以前の前提状況は通用しなくなっています。当面は、国内外の不安定な状況がインド株、経済の重しになると思われます。
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