アジア株週間トピックス 2023年4月3日号
2023.04.03 (月)
タイはほぼ予想通りの利上げ
0.25%の利上げで政策金利は1.75%に
2023年3月29日にタイ中央銀行は金融政策委員会を実施し、大方の市場予想通り利上げを行うこととなりました。5会合連続の利上げで、引き上げ後の政策金利は1.75%となりました。なお、中銀は2023年のインフレ率予想を3.0%から2.9%に引き下げ、今年半ばあたりには目標の範囲内に戻る、との予想を発表しています。利上げは最終局面とみています。
下院選挙実施予定の2023年5月あたりまでタイ政情の不安定が続く?
タイでは2023年5月くらいまでに下院選挙が実施される予定です。タクシン派、反タクシン派の争いが続いているほか、直近は連立与党である「国民国家の力党(PPRP)」が内紛から分裂するなど政局は混迷気味です。
これまでであれば国内が混乱したときに、国王の鶴の一声によって事態を収拾させる、という傾向がありましたが、現在の国王は国民からの信認が低いため混乱時に事態を収拾させるのはむずかしいと思われます。当面、不安定な政情が続きそうです。
観光需要の回復がタイ経済本格回復のカギか?
観光客数は回復傾向か?
3月28日、タイ観光・スポーツ省は2023年2月の外国人入国者数が前年同月比13.8倍の211.4万人だったと発表しました。2月7日にはプラユット・チャンオチャ首相が「2023年はタイを訪問する外国人客数が年間3,000万人強になる」と観光の回復に自信を示しました。直近数か月の状況が持続できるとすれば、政府の目標はほぼ達成可能と思われます。
また2月14日には「6月以降、訪タイ外国人から300バーツ(日本円で約1,200円)の入国料を徴収する」と発表しました。これまでタイでは観光客数を増やすために制限緩和の政策をとっていたので、今回の政策はこれまでの方針とはほぼ真逆の政策といえます。直近ようやく回復し始めていたタイの観光、経済にどのような影響を与えるか注目されます。
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