アジア株週間トピックス 2022年5月13日号
2022.05.13 (金)
フィリピンの2022年1~3月期GDP成⾧率は+8.3%
5月12日に、フィリピン統計庁は2022年1~3月期実質GDP成⾧率を発表しました。結果は、前年同期比+8.3%と、事前の市場予想+6.7%を上回り、名目、実質ともにコロナ前水準を回復しています。世界の多くの国で、各種制限の緩和、経済正常化の動きが強まっていますが、そのなかでも、フィリピンの景況感回復が際立っていたといえます。特に、項目別にみて好調さが目立ったのが、同国のGDPのうち約7割を占める消費で、伸び率は前年同期比+10.1%と、前四半期の+7.5%から加速しました。消費が同国経済をけん引したといえるでしょう。
大統領選は大きな 波乱なし
5月9日にフィリピン大統領選の投開票が行なわれました。結果は、マルコス元上院議員の圧勝と、事前の市場予想通りの結果となりました。新大統領は、ドゥテルテ政権の経済政策を引き継ぐ、という意向を示しており、新政権になっても、政策方針が大きく変更される可能性は小さいと思われます。当面、消費、インフラ投資がフィリピン経済をけん引する、という状況が続くと予想されます。
マレーシアは4年4か月ぶり利上げ
マレーシアがサプライズ利上げを実施
5月11日に、マレーシア中央銀行は定例の金融政策会合を実施、政策金利を0.25%引き上げ、2.0%にすると発表しました。約4年4カ月ぶりの利上げで、大方の市場関係者の予想を覆しました。ウクライナ情勢、資源価格の上昇、世界的サプライチェーンの混乱など、懸念材料は多いものの、当局は国内景気がおおむね最悪期を脱したとの判断から利上げに踏み切ったと思われます。また、直近のマレーシアリンギ(対米ドル)の下落が想定以上に進行しており、利上げによって資本流出を回避する、という意図もあったもようです。年後半にも、更なる利上げが行なわれることになりそうです。次回の金融政策決定会合は、7月6日に実施される予定。
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