アジア株週間トピックス 2023年11月6日号
2023.11.06 (月)
インドネシアとフィリピンは予想外の利上げ
インドネシア、フィリピンは相次いで利上げを発表
10月19日、インドネシアは0.25%の利上げを発表しました。この利上げ発表直後には通貨ルピアが上昇する場面がありましたが、その後は再びルピア安基調になっています。インドネシアルピアは、以前フラジャイル5(経常赤字基調で、脆弱な通過を表す)のひとつに挙げられる弱い通貨で、当面は、通貨ルピアの動向をみながらの政策運営が続きそうです。
次いで10月26日にはフィリピンの金融政策委員会が実施され、0.25%の利上げを発表しました。予想されていないタイミングでの利上げで、政策金利(BSP翌日物借入金利)は6.5%となりました。前回までは5会合連続で据え置いていたため、6会合ぶりの利上げとなります。次回、11月16日に予定されている通常の政策決定会合でも利上げを示唆するなど、当局の焦りが感じられます。当面は引き締め気味の政策運営が続きそうです。
ベトナムが10月の鉱工業生産を発表
ベトナムの10月の鉱工業生産は前年同月比+4.1%
10月29日、ベトナムが2023年10月の鉱工業生産を発表しました。前年同月比+4.1%と、9月の前年同月比+2.9%(速報値は+5.1%)より加速し、上昇率は3月以降最大となりました。ベトナム経済は好調を維持しているとみられます。
部門別で特に好調さが目立ったのが水産部門でした。年明けから減少気味に推移していましたが、10月は加工水産物の生産量が2ケタの伸びとなり、鉱工業生産のけん引役になったもようです。金額の高い、携帯電話の生産も8月までは20%前後の減少を続けていましたが、9月、10月とプラスに転じました。大手メーカーの主力ブランドの最新機種発売が追い風と見られ、ベトナム経済全体に薄日が差してきたとみられます。
岸田首相はフィリピンとマレーシアを訪問
岸田首相が11月3日から東南アジア訪問を行い、5日の夜に帰国しました。今回訪問したのはフィリピンとマレーシアで、主に対中国を意識した連携強化などが話し合われたようです。しかし、フィリピンのマルコス大統領、マレーシアのアンワル首相ともに近年は存在感が小さく、あまり成果が上がった歴訪とはいえないと思われます。
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