アジア株週間トピックス 2023年10月30日号
2023.10.30 (月)
インドネシアがいくつかの景気支援策を発表
10月24日にジョコ大統領が景気支援策を発表
インドネシアのジョコ大統領が10月24日にいくつかの景気支援策を発表しました。
主な内容は2つで、
①20億ルピア(約1,900万円)未満の住宅購入にかかる11%の付加価値税を2024年6月まで廃止、その後も無期限で税率を半分にする。
②2,100万世帯以上の低所得世帯に対するコメの配給を12月まで1か月延⾧する。
などといった内容になっています。
なお、この大統領府発表とあわせて、ジョコ大統領は同日投資家が参加したセミナーに出席し、通貨ルピアの下落に関しては「実体経済や金融業界にとってもまだ問題のないレベルだ」と述べました。大統領があまり不安視していないとはいえ、直近のインドネシア・ルピアは不安定な値動きとなっており要警戒です。10月19日に実施された金融政策委員会では政策金利を6%に引き上げましたが、今後の政策金利の行方、通貨ルピアの動向、このたび発表した景気支援策の効果などを注意してみていきたいと思います。
インドネシア大統領選の顔ぶれがほぼ確定
インドネシアの大統領候補-副大統領候補のペアがようやく決定
2024年2月にインドネシア大統領選が実施されますが、インドネシアの大統領選挙では副大統領候補がセットで立候補するというルールになっています。このたび出馬したのは3候補(ペア)。
①プラボウォ氏-ギブラン氏
②ガンジャル氏-モハンマド氏
③アニス氏-ムハイミン氏
それぞれ大統領候補―副大統領候補の3ペアです。今後、この3候補を中心に選挙戦が繰り広げられることになりそうです。
ギブラン副大統領候補は選挙の波乱材料になりうる?
現時点ではプラボウォ氏-ギブラン氏のペアが最有力候補となっていますが、問題はこのギブラン氏の出自です。ギブラン氏はジャワ州のソロ市⾧で、かつジョコ大統領の⾧男です。ギブラン氏は36歳と若く、40歳以上とされる年齢制限がネックとなっていましたが、インドネシア憲法裁判所が10月16日に「地方首⾧経験者は立候補を認める」との判決を下し、出馬が可能となりました。
ジョコ氏一族に関しては今回の⾧男だけでなく、次男のカエサン氏も入党3日目でPSI(インドネシア連帯党)の党首に選ばれた、というケースがありました。どちらもメディアからたたかれやすい世襲人事と言ってよいでしょう。同氏の人となりや実力はわかりませんが、今回の発表後にマスコミは一斉に、政治的中立性に欠ける判断だとの声を上げています。このたびの選挙の波乱材料となりうるとみています。
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