アジア株週間トピックス 2022年4月27日号
2022.04.28 (木)
タイは多くの制限緩和方針に
タイは海外からの入国制限を一部緩和
タイを訪れた外国人は、2021年年間427,869 人に対して2022年1月~4月19日で646,812人と、既に昨年年間分を上回っています。まだ、コロナ前のレベルには全く届きませんが、タイの観光需要は最悪期は脱しているといえます。そのなかで、タイ政府の新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は、4月22日の定例会議にて、外国人旅行者の本格回復に向けてさらに制限を一部緩和する方針を示しました。5月1日以降、タイ入国時のPCR検査を廃止するなど一部の制限を緩和する方針です。この緩和により、タイを訪れる外国人旅行者数の増加、観光の回復につながりそうです。
タイのコメ輸出が好調
観光の回復のほか、直近目立っているのがコメ輸出の急増です。以前、1993年に、日本のコメ作付け不良が顕著となりタイ米に対する需要の増加、タイ米ブームが話題となりました。直近は、ロシアによるウクライナ侵攻で両国の小麦供給が大幅に減少、代替穀物としてタイのコメに対する需要が拡大しています。1~2月のタイのコメ輸出量は前年同期に比べて約3割増加しました。タイのコメの業界団体は、2022年の輸出目標を700万トンから800万トンに引き上げる方針で検討を始めました。なお、タイはコメの輸出量で世界第3位の規模のコメ大国です。コメ需要の増加はタイ経済を後押しすると思われます。
インドネシアはパーム油禁止方針へ
インドネシアはパーム油輸出禁止措置拡大へ
4月22日に、インドネシア・ジョコ大統領は、国内のパーム油の輸出を禁止する方針を明らかにしました。また、26日には、輸出禁止の対象を精製品以外の関連製品にまで拡大する意向を示しています。インドネシアのパームオイルの生産量、輸出量は世界最大で、世界的に影響が大きいと思われます。タイが海外からの需要を取り込もうとしている一方で、インドネシアは自国優先の方針を明確にしたといえます。ただ、インドネシアは以前、鉱物資源禁輸などの意向を示した直後に方針を撤回したケースもあり、今後、方針が変わる可能性もあるとみています。世界的にインフレへの警戒が強まっているなかで、インドネシア当局がどのような判断をするか注目されます。
「GOTO」の低迷続く
「GOTO」の下落目立つ
なお、前週、今週と週間トピックスで紹介してきたインドネシアの大型IPOであった「GOTOゴジェック・トコペディア(GOTO)」が、直近一段安で、27日にはストップ安の290ルピアとなりました。インドネシアIT業界のなかで同社の今後の成⾧余地は大きい、という見方は変わっていませんが、現状の不安定な世界株式市況のなかで、売り圧力にさらされやすい状況が続く可能性があります。当面不安定な値動きのなかで徐々に下値を固めてくるとみています。
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