アジア株週間トピックス 2022年4月25日号
2022.04.25 (月)
インドネシアは政策金利を据え置きに
インドネシアは政策金利を過去最低水準に据え置き
4月19日にインドネシア中銀が定例の政策決定会合を実施しました。結果は、政策金利を史上最低水準の3.5%と、14会合連続で据え置きすることとなりました。ここ数か月は、米国や欧州など欧米先進国が政策金利を引き上げるなど、金融正常化にかじを切っている国が目立ちますが、インドネシアのほうは、低金利を維持することで景気を下支えする、という方針を示したといえます。
インフレへの警戒が続く
今回は金融据え置きの方針を示しましたが、このまま低金利を維持する可能性は低いと思われます。懸念されるのが、世界的に顕著になっているインフレです。ここ数か月は、食品、エネルギー、生活必需品など、あらゆるものが値上がりしており、明らかにインフレ基調といえます。4月1日に発表されたインドネシアの3月のCPIは、2.64%でした。他国に比べて極端に高い水準ではないものの2020年4月以来の水準のインフレで、決して安心できるレベルとはいえません。近い将来、インフレ警戒から利上げに踏み切る可能性は高いと思われます。次回、4月のCPIは5月9日に発表される予定で、金融政策決定会合の方は5月24日の実施が予定されています。引き続き、CPIの動向、今後の金融政策が注目されます。
IMFは世界経済成⾧率見通しを大 幅 下 方 修正
IMFは世界経済見通しを大幅に下方修正
4月19日に、IMFは、最新の経済見通しを発表しました。これは3か月ごとに、IMFが行なっている定期見通しで、世界全体、国ごとの経済成⾧予想などが示されています。この発表については、一部形式的な発表となっている傾向はありますが、参考にできる部分もあります。今回は、ロシア問題が勃発してから初めて発表されたもので、戦争の⾧期化、インフレへの懸念、各国の利上げ懸念など様々な不安材料を反映して、世界全体、国別ともに下方修正が目立ちました。世界全体については、2022年:3.6%(前回予想比-0.8%)、2023年:3.6%(同-0.2%)となりました。加えて、直近では足元の都市封鎖によるマイナス影響も新たなリスク要因としてクローズアップされています。当面は、不安材料が払拭される可能性が低いなかで、割安感の強い優良株、高配当株などを中⾧期で丹念に狙っていくのがよいと思います。
「GOTO」は公募割れに
「GOTO」の下落目立つ
なお、前週のアジア株週間トピックスで紹介したインドネシアの大型IPOであった「GOTOゴジェック・トコペディア(GOTO)」が、大幅安となっています。、4月21、22日にはIPO価格(338 ルピア)を下回りました。公募で買った現地個人投資家からの投げ売りが重なりました。同社およびインドネシアIT業界の今後の成⾧余地が大きいという見方は変わっていませんが、今の世界の株式市況のなかで、売り圧力にさらされやすい状況が続く可能性があります。当面不安定な値動きの中で、徐々に下値を固めてくる展開になるとみています。 直近の資源価格高は、資源国であるインドネシアにとって追い風となっています。参考までに、インドネシア上場の主な資源関連株を挙げておきます。ただ、どの銘柄も現在の株価は比較的高値水準で、ボラティリティも大きい点には注意した方がよいと思います。
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