アジア株週間トピックス 2022年6月27日号
2022.06.27 (月)
フィリピンは2会合連続の利上げに
フィリピンは利上げを決定
6 月23 日に、フィリピンは金融政策委員会を実施、2会合連続の利上げを決定した。政策金利は2.25%から2.50%に引き上げられました。世界的利上げ連鎖が続いているなかで、同国でもインフレ抑制のために金融引き締めをする、という方針をはっきりと示しつつあるといえます。ただ、米国に比べると利上げ幅は小さく、金利差拡大によるペソ安などを懸念する声もあり、今後追加で利上げを行う可能性は大きいとみてよさそうです。
直近のペソは2006年以来のペソ安水準に
直近通貨ペソの下落が顕著で、6月23日のフィリピンペソは、1ドル≒54.646 ペソと16年7 か月ぶりのペソ安水準となっています。輸入インフレへの懸念などもあり、過度なペソ安は、フィリピン経済にとってマイナスです。マルコス新政権にとって、経済、通貨、インフレ水準など、問題山積みの中で、難しい政策運営を余儀なくされそうです。
ベトナムの電力消費が過去最高に
ベトナムの猛暑で電力ひっ迫状況に
ベトナムで電力需要が急増しており、6月21日のピーク電力は、過去最高を更新しました。新型コロナウイルス禍が一服し、多くの企業活動が再開していることに加えて、ベトナム各地で35度以上の熱波が続いているためです。国営ベトナム電力グループ(EVN)によると、電力使用率は90%を超えた、との報道もあり、電力不足による停電を避けるために、企業、個人に節電を呼び掛けています。
生産活動再開によって、国内の景気関連指標の回復も顕著で、5月の鉱工業生産は、前年同月比+10.4%と、2021年4月以来の10%超えとなっています。国内経済の落ち着きが企業の生産活動を活発化させていますが、電力需給ひっ迫も目立ってきました。EVNは「ここ数か月は、石炭、天然ガス、石油などの値上がりが急ピッチで、発電コスト高を押し上げており、電力供給底上げの障害になっている」と説明しています。
また、供給を増やしづらい状況の中で、天候の面での需要拡大は続いています。国家水分気象学予測センターは、⾧期予報のなかで当面、平年より高い日が続くとの予想を示しました。北部や中部の暑さが弱まると予想される9月頃までは、ベトナムの電力ひっ迫状況が続きそうです。
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