アジア株週間トピックス 2023年8月21日号
2023.08.21 (月)
中国経済は不動産不況の影響をうけ軟調か
中国の経済指標は予想を下回る結果に
8月15日、中国の2023年7月の経済指標がいくつか発表されました。鉱工業生産は前年同月比+3.7%、小売売上高は前年同月比+2.5%、固定資産投資は前年同月比+3.4%と、それぞれ予想の+4.3%、+4.0%、+3.7%を下回りました。また、8月16日には中国国家統計局が7月の新築住宅価格指数を発表しましたが、主要70 都市のうち49都市で前月比下落しました。経済活動低迷、大手不動産会社の経営不振などによって、不動産市況全体の不振が鮮明になっています。
習近平主席は不動産市場低迷に対応すべく、直近は開発業者への金融支援などの延⾧を打ち出していますが即効性は低いとの懸念も出ています。直近発表された貿易関連や物価統計を含めて、中国は経済統計を見る限り、明らかに低迷しているとみてよいでしょう。
中国恒大集団は米国で連邦破産法15条を申請
また、米国時間の8月17日に中国恒大集団[チャイナエバーグランデ]が米国で連邦破産法15 条を申請しました。この中国恒大集団は以前より業績不振が伝えられていたためサプライズ感はありませんが、中国経済の先行き、世界経済への波及が懸念されています。当面、リスクオフムードが強まりそうです。
ベトナムへの外国人の訪問、投資が増加
ベトナムへの外国人訪問、投資が増加
ベトナム統計総局の発表によると、2023年7月にベトナムを訪問した外国人訪問者数は、前年同月比約2.9倍の103万8,563人(推定)で、1~7 月累計では前年同期比約6.9倍の661万3,532人と急増しました。外国人の訪問増加はベトナムだけではありませんが、これまでベトナム訪問の上位国であった韓国、中国、米国など主要プレイヤーがそろって大幅増となっており、今後順調に増加すると思います。
また、7月31日に計画投資省海外投資局(FIA)が海外直接投資(FDI)に関するデータを発表しました。2023年1~7月のベトナムに対するFDI認可額は前年同期比4.5%増の162.4億米ドル(推定)でした。個人、企業からベトナムに対する注目度が高まっているひとつのあらわれとみてよいでしょう。
一方、8月18日のベトナム株式市場はほぼ全面安となりました。VN30指数の構成銘柄は、ベトコムバンク(VCB)を除き下落となりましたが、騰落率順で続く銘柄は、2位:ビナミルク(VNM)-0.4%、3位:FPT(FPT)-0.6%と、大型優良銘柄の下落幅は限定的でした。当面は好業績優良株に資金が集中しやすい状況が続くと予想されます。
ご留意事項
免責事項
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、お客様ご自身による判断でお決めください。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に応じて予告なく変更することがあります。このレポートの権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようにお願いいたします。