アジア株週間トピックス 2023年8月7日号
2023.08.07 (月)
タイは政策金利を引き上げ
タイは約9年ぶりの金利水準に
2023年8月2日、タイが定例の政策金利委員会を実施し、全会一致で利上げを決定、政策金利である1日ものレポ金利は2.25%となりました。政策金利が2.25%となるのは2014年1月以来約9年ぶりですが、世界的に見れば低い水準で再引き上げの余地は残していると思われます。今後タイが経済正常化を目指していくうえでは、利上げ圧力が景気の足かせとなりそうです。
タイの問題は利上げだけではありません。5月の下院選挙が実施され、民主派が大勝利を収めましたが、まだ首相が決定していないことです。新首相選出の投票は再三延期されており、いまだに実施日程さえ確定できていないという状況です。早期に首相を確定させることがタイ政局の安定、経済正常化にとって重要とみています。
8月3日に英国は0.25%利上げを決定
政策金利は15年ぶり高水準の5.25%に
8月3日、英国中央銀行は金融政策委員会を実施し、政策金利を0.25%引き上げ15年ぶり高水準の5.25%としました。中銀総裁は、インフレとの闘いは⾧期にわたる金融引き締めを必要とする、との見解を示しました。中銀の発表後、市場は金利が2023年末にも5.75%未満でピークに達する、との予想を織り込んでいる模様です。なお英国のCPI(消費者物価指数)は、直近発表されている6月分で7.9%と数か月前の10%超え水準からは沈静化しているものの高水準です。英国ではインフレを警戒した利上げという流れが当面続くと予想されます。
BRICS サミット で、インド、中国の 対立か?
8月22~24日に南アフリカ・ヨハネスブルクでBRICS首脳会議(サミット)が開催されますが、参加国のひとつであるインドのモディ首相は一時オンラインでの出席を検討していましたが、対面での参加を表明するなど揺れているようです。ある政府筋は、インドは近年米国など西側諸国に歩み寄っており、BRICSが中国主導で拡大させようとしていることに対して不満を抱いている、と説明しています。このたびのモディ首相のオンライン参加検討は、中国主導のBRICS から距離を置きたい、というインドの意向の表れであると思われます。インドと中国の溝はなかなか埋まらないとみています。