アジア株週間トピックス 2023年7月31日号
2023.07.31 (月)
先週、日・米・欧の金融政策委員会が開催
日・米・欧がそろって金融政策決定会合を実施
先週7月25日~28日は、日・米・欧の金融政策委員会がそろい踏みの週でした。
まず7月25~26 日には米国のFOMCが開催され、0.25%の利上げを発表しました。ほぼ市場予想通りの決定で、市場はひとまず利上げの終了を織り込む動きとなっています。一方、さらなる利上げの可能性は残されており、過度な楽観には注意が必要だと考えます。
次に会合を行なったのが欧州で7月27日にECB理事会が実施されましたが、こちらも事前の予想通り0.25%の利上げとなりました。昨年7月から9会合連続の利上げとなります。会合後のECB総裁は、引き締めサイクルは終わりに近づいているものの、次回の9月の会合での利上げ、据え置きは不明、とコメントしており、まだ打ち止め感は出ていないようです。
そして最後が7月27~28日に実施された日本の金融政策会合です。日本は金融緩和を⾧く続けており、現状政策を大きく変更することが難しい状況にあります。今回も方針を変更する可能性は小さく、変更はしないのでは、とみられていましたが市場予想に反してYCCの運用柔軟化を発表しました。⾧期金利変動幅が0.5%を超えることを容認するようです。この発表後にドル円相場が一時141円超えとなるなど円安が進行しましたが、その後138円台となるなど荒れた動きとなりました。このたびの日銀の政策変更は市場が予想していないものでしたが、為替、株式市場ともに時間が経過してくれば落ち着きを取り戻してくるとみています。
台湾の2023年6月鉱工業生産は前年同月比16.63%減に
台湾経済の低迷が目立つ
7 月24日、台湾が2023年6月の鉱工業生産を発表しました。前年同月比16.63%減で、前年割れは13か月連続となります。直近発表された台湾最大企業であるTSMCの不振をみても、台湾の景況感は低迷しているといってよいでしょう。
IMFが定例の世界経済見通しを発表
7月25日にはIMFが「World Economic Outlook」(世界経済見通し)を発表しました。この見通しはほぼ3か月ごとに発表されており、前回の発表は4月でした。世界全体の成⾧見通しは4月時点で2023年を+3.0%(前回比+0.2%)、今回の7月は、同+3.0%(前回予想据え置き)としています。国別で見ても多くの国は2023年が小幅ながら上方修正が目立つ一方、2024年は横ばい若しくは下方修正となっています。おおむね足元は好調な一方で先行きは不透明感が強い、という見通しになっています。
IMFは世界経済の先行きに不安を感じているようです。IMFのこの度の発表の通り、直近の世界情勢は比較的落ち着いているものの、先行き見通しは不透明といえると思います。
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