アジア株週間トピックス 2023年2月20日号
2023.02.20 (月)
インドネシアは金利据え置き、フィリピンは0.5%利上げを発表
フィリピンは8会合連続の利上げで政策金利は6.0%に
2023年2月16日にインドネシアとフィリピンが金融政策決定会合を実施し、利上げを発表しました。
インドネシアは事前の市場予想通り利上げは見送りでしたが、フィリピンは0.5%と事前予想(0.25%)を上回る利上げ幅でした。フィリピンは8会合連続の利上げで、利上げ後の政策金利(翌日物借入金利)は6.0%となりました。フィリピンでは光熱費や食料品など身近な生活関連コストの上昇が目立っており、インフレ抑制が利上げの主要因に挙げられています。
フィリピン中銀は2023年のインフレ予想を引き上げ
フィリピンでは会合後にメダラ中銀総裁が会見し、中銀が2023年のインフレ予想を2022年12月時点の4.5%から6.1%に上方修正したことを明らかにしました。政府のインフレに対する政策委員会は「今後もインフレに対する強い警戒を続ける」とコメントしました。今後、高金利と経済成⾧を両立できるか、フィリピン当局は難しい政策運営を余儀なくされそうです。
タイの2022年10~12月期GDP成⾧率は前年同期比+1.4%
タイのGDPは2022年10~12月、2022年通年とも予想を下回る
2月17日にタイが2022年第4四半期(10~12月)、2022年年間のGDP成⾧率を発表しました。10~12月期では前年同期比+1.4%、通年では前年比+2.6%と、ともに事前予想を下回りました。産業別では制限緩和の影響によって、宿泊施設などの分野が前年比+30.6%と4四半期連続して30%以上の高成⾧となり、GDPのけん引役となりました。しかしその一方、鉱業の分野は同-6.9%と6四半期連続の前年割れで、分野によって明暗がはっきり分かれているといえます。
観光の制限緩和により徐々に観光客は戻りつつありますが、コロナ禍前の好調時の水準にはまだ戻っていません。コロナ禍前の時点では、タイを訪れた外国人旅行客のうち、中国人が約3割弱を占めていました。今後、中国人需要が本格的に戻ってくることが、観光の回復、タイ経済にとって重要なポイントになるとみています。
なお、2月14日にタイ政府は「外国人入国料を観光客1人あたり最大300バーツ(約1,200 円)徴収する」と発表しました。タイが入国料を徴収するのは初めてで金額が小さいとはいえ、なにかしらの影響がありそうです。
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