アジア株週間トピックス 2023年2月13日号
2023.02.13 (月)
インドが0.25%利上げを発表
6会合連続の利上げで約4年ぶりの水準に
2023年2月8日にインド準備銀行が金融政策決定会合を実施し、利上げを発表しました。利上げ幅は0.25%と直近5回よりは小さいものの、6会合連続の利上げです。利上げ後の政策金利は6.5%と、約4年ぶりの高い金利水準となっています。
ここ数か月、インドを含め世界各国では利上げやインフレへの警戒感が少なくなっていますが、懸念が完全になくなっているわけではありません。今後、インド政府はインフレを抑制しながら、かつ好景気を持続させるために難しい政策運営を迫られそうです。
さらなる金融引き締めへの警戒続く
会合後にはシャクティカンタ・ダス総裁が会見し「政策委員会は今後もインフレに対する強い警戒を続ける」とコメントしました。さらなる引き締めに含みを持たせています。直近のインドのCPI(消費者物価指数)は中銀目標の上限近くの水準で推移しており、警戒は続きそうです。
マレーシアの2022年10~12月期GDPは前年同期比+7.0%
2022年通年では2000年以来の高成⾧に
2月10日、マレーシアが2022年第4四半期(10~12 月)、2022年年間のGDP成⾧率を発表しました。10~12 月期では前年同期比+7.0%、通年では前年比+8.7%と、2000年以来の高成⾧となりました。政府予測の6.5%~7.0%をも上回っています。高成⾧を牽引したのは、宿泊、飲食業、不動産などの第3次産業です。
マレーシアでは新型コロナ問題が沈静化してきたことで、2022年4月以降は隔離なしでの入国を再開したほか、5月にはマスク着用義務を撤廃(同年9月には屋内も対象)するなど、徐々に規制を緩和しており、このたびの高成⾧につながっていると思われます。
なお、パーム油の世界主要産地はインドネシアとマレーシアですが、インドネシアは直近「2月1日から国内のディーゼル燃料にパーム油を混ぜる比率を引き上げ、海外への輸出を抑制する」と発表しました。インドネシアはここ数年、資源の禁輸、解除を繰り返していますが、インドネシアの政策は資源品目が競合するマレーシアにも影響を与えそうです。