アジア株週間トピックス 2023年1月27日号
2023.01.27 (金)
インドネシアは0.25%利上げに
インドネシアは昨年来6回目の利上げ
インドネシアは2023年1月18、19日に金融政策決定会合を実施し、0.25%の利上げを決定しました。昨年来6会合連続の利上げで、利上げ後の政策金利は5.75%となっています。会合後のインドネシア中央銀行、ペリー・ワルジヨ総裁のコメントでは、引き締めサイクルの終了が示唆されました。
米国などでも、利上げサイクルはそろそろ転換点を迎えつつあるのでは、との見方が強まっていますが、インドネシアでも「インフレ→利上げ」の流れはほぼ終了(転換)とみてよさそうです。
利上げを決定する主要因とされていたのがインフレの進行ですが、昨年12月のCPI(消費者物価指数)は5.51%でした。直近ピーク時の5.95%よりも若干沈静化しています。前述のペリー総裁は、予想よりも早くインフレがピークに達した、と強調しました。インドネシアはインフレの沈静化、利上げ打ち止め、経済正常化に向かって前を向き始めているといえるでしょう。
2024年の大統領選挙にむけた政局にも注目か?
2024年にはインドネシアで大統領選挙が実施されます。このたびの選挙では、現在のジョコ・ウィドド大統領が任期満了で引退、大統領の交替が予定されています。
インドネシアでは選挙が実施されるたびに派閥争いの激化によって政権が不安定化するという傾向があり、大統領選挙は注目イベントです。ジョコ大統領が打ち出している「首都機能移転計画」など主要計画の進捗への影響が懸念されます。今年9月には正副大統領の候補が決定する予定で、2023、2024年はインドネシアにとって重要な選挙イヤーになりそうです。
インドネシアは今後資源の高付加価値化を目指す?
ダボス会議でインドネシア投資相が⾧期目標を発表
2023年1月に実施された世界経済フォーラム第53回年次総会(通称:ダボス会議)にインドネシアからバフリル・ラハダリア投資相が出席し、インドネシア政府としての今後の方針などを説明しました。この説明では「一次産品とグリーン産業を高付加価値化すること」が重点政策として挙げられました。ここ数年インドネシアは、石炭、ニッケル、ボーキサイトなどの禁輸、解除を繰り返していますが、政府の⾧期目標を見る限り以降もこの流れが続きそうです。
今後、省資源や一次産品の高付加価値化などの政府方針によって恩恵を受ける新たな産業、企業が出てくる可能性が高いとみています。
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