アジア株週間トピックス 2023年7月24日号
2023.07.24 (月)
中国大手不動産企業の不振が多くの関連企業にも影響
中国恒大集団は巨額赤字に
7月17日、中国の大手不動産会社 中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ、香港:3333)が2021年と2022年の決算を発表しました。2021年は4,760億元、2022年は1,059 億元、2年間累計で5,819億元(約11兆2,400億円)の損失となりました。
会社側は、24、25日の両日に多様なクラスの社債保有者との会合の実施を目指す、としていますが、債務リストラを実施するにはそれぞれの債券クラスで75%の同意を得る必要がある、という規定があり、会社側が目指す債務リストラを実施するのは難しいと思われます。当面、中国恒大集団を含む中国の不動産業界は厳しい環境が続きそうです。
台湾のTSMCが2023年第2四半期(4~6月)決算を発表
世界はTSMCショックに
7月20日に、台湾積体電路製造[TSMC](台湾:2330)が、2023年第2四半期(4~6月)決算を発表しました。売上高は前年同期比10%減の4,808.4億台湾ドル、純利益は前年同期比23.3%減の1,818.0億台湾ドルでした。TSMCが四半期ベースで減収減益となったのは、2019年第1四半期(1~3月)以来です。主な減収減益要因として挙げられるのが、在庫調整などによる半導体需要の低迷です。
これまで世界の勝ち組であったTSMCが不振であったことで、世界経済に不透明感が強まっています。
タイの連立工作、首相指名は難航
今年5月に下院総選挙が実施されたタイでは、連立工作、首相指名が難航しています。第一党となった前進党のピタ党首の首相指名に、保守党が反発を強めているためです。首相指名選挙は7月13日に1回目が実施されたものの、半数を上回る票を獲得することができず、2回目以降に持ち越されました。
7月19日に2回目が実施される予定でしたが2回目は中止となりました。タイの政局混乱はこじれるケースが多く、⾧引く可能性が高いと思われます。政局の混乱は通貨バーツ相場の動向にも影響を与える傾向があります。引き続き、タイの政局の行方、バーツ相場の動向を注視していく必要があると思います。
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