アジア株週間トピックス 2023年7月10日号
2023.07.10 (月)
インドネシアとオーストラリアが首脳会談
インドネシア・オーストラリアの首脳会談はEV関連が主要議題に
2023年7月4日、インドネシアのジョコ大統領とオーストラリアのアルバニージー首相がシドニーで会談、両国の経済協力などについて話合いが行われました。
特に主要議題として話し合われたのが、EV用バッテリーの部分です。なお、EV用バッテリーに利用されるニッケルに関してはインドネシアが世界最大の埋蔵量を持つほか、バッテリー原料であるリチウムについてはオーストラリアが主要生産国です。そのため、このたびの戦略的協力関係の締結は両国にとってメリットが大きいと思われます。
昨年来、インドネシア政府は、ニッケル、ボーキサイトなど同国が世界市場で重要な地位を占めているレアアースの禁輸を発表してきました。このたびの両国の主脳会談を機に資源囲い込みの動きに歯止めをかけることができるか、今後の両国の資源関連政策が注目されます。
タイの2023年6月のCPIは前年同月比+0.23%
タイの2023年6月のCPIは22か月ぶりの低水準に
7月5日、タイ商務省が2023年6月のCPI(消費者物価指数)を発表しました。前年比+0.23%と22か月ぶりの低水準にとどまりました。CPIがタイ中央銀行のインフレ目標レンジ(1~3%)を下回るのは2か月連続で、インフレの鎮静化が顕著となっています。タイ商務省は2023年通年のインフレ率目標を1~2%としていますが、今の状況であれば目標レンジ内にとどめることができそうです。
サムスン電子(韓国)は大幅営業減益に
7月7日にはサムスン電子(韓国:005930)が2023 年4~6月期決算を発表しました。売上高が前年同期比22%減の60兆ウォン、営業利益は前年同期比96%減の6,000億ウォンでした。世界的な電子部品需要の低迷がこのたびの大幅営業減益につながっています。一部のアナリストや投資家はサムスン電子の先行きについて楽観的な見方をしていますが、直近は、台湾積体電路製造[TSMC](台湾:2330)やサムスン電子など、世界の勝ち組企業とみられていた企業の不振が目立っています。今後は逆に、意外な分野で好調な企業や収益改善した企業が出てくる可能性があるとみています。
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