アジア株週間トピックス 2024年2月26日号
2024.02.26 (月)
3月17日の大統領選を前にロシアで不穏な動き
ロシアのナワリヌイ氏が刑務所内で死亡?
2024年2月16日の夜遅く、ロシアの反体制派指導者であるナワリヌイ氏が刑務所内で死亡した、と報じられました。散歩の後で体調不良を訴え、その直後に意識を失ったという説明でしたが、直近のブリコジン氏の死亡報道も含め、3月17日に大統領選を控えたプーチン氏のやり方に反発する人間を排除しようとした、というのが真相ではないかと推測されます。
ロシアが発信する情報は真実を曲げて開示される傾向があるため、すべて憶測でしかありませんが、国内外からプーチン首相を非難する声が高まっています。現時点では大統領選でプーチン氏が圧勝するのではと予想されていますが、選挙結果に影響を与えるかもしれません。選挙の行方が注目されます。
2月16日に行われた金融政策委員会では、政策金利が16%と高水準で据え置きとなったほか、2月15日と22日に発表された2024年1月の物価統計では、CPI(消費者物価指数)が7.44%、PPI(生産者物価指数)が19.4%でした。
金利水準と物価の面をみれば、ロシア経済は決してバラ色とはいえません。ロシアとウクライナの戦局も一進一退のまま⾧期化しており、事態の収束が見通せない膠着状態が続いています。とりあえず、3月の大統領選挙が戦局を変えるひとつの節目となりそうです。
中国が台湾に向けて圧力か?
中国の気球が台湾上空に
1月に実施された台湾の総統選では、民進党の頼清徳氏が勝利しましたが、懸念されていた通り、選挙結果を好感していない中国が台湾に対して圧力をかけてきているようです。2月中旬には、台湾上空に中国から多くの偵察気球が打ち上げられており、台湾を監視している、と台湾国防部が発表しました。
気球といえば2023年2月に、中国の偵察気球がアメリカで戦闘機に撃ち落された、という事件がありました。このたびの気球も、台湾の行動監視、防空システムのかく乱などの意図があるようです。
金門島近海で中国が台湾に圧力
また、2月20日には台湾海洋委員会が「金門島の付近で、領海に侵入してきた中国海警局の艦船を追い払った」と発表しました。金門島付近の海域では、たびたび小競り合いが起っていおり、今後も中国からの圧力が続きそうです。
先日聴講した拓殖大学の国際講座(アジア株週間トピックス 2023年10月16日号のなかでふれている)でも、中国がもし攻めてくるとすれば、金門島など周辺の島から攻めてくるのでは?、と講師の方が発言されていました。日本も中国、台湾の周辺国のひとつとして、中国の動向、台湾近海での動きに新たな動きがないか、注意を払っておく必要があると思います
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