アイザワ ほっと マーケットアジア Asia Market Strategy 2022年8月
2022.08.23 (火)
アジア新興国は、悪材料と共存しながら難しい政策運営が続く見通しか?
ここ数か月、世界では新型コロナウイルス問題、ロシア・ウクライナ問題など問題が山積みという状況が続いているものの、不透明材料は吸収されつつあります。国によって格差はありますが、徐々に外国人の往来などいくつかの制限が緩和されつつあります。
各国は、コロナ問題やロシア・ウクライナ問題など長期化している問題と共存しながら成長を目指す、という方針に転換しつつあるといえます。
直近は、いくつかのアジア新興国が2022年4~6月期のGDP成長率を発表しました。
8月5日:インドネシア、+5.44%、8月9日:フィリピン、前年同期比+7.4%、8月12日:マレーシア、同+3.5%、8月15日:タイ、同+2.5%などで、GDPをみるかぎり、各国ともに経済は落ち着きを取り戻しつつあるといえるでしょう。
景気の落ち着きがすすみつつあるなかで、7月14日にはフィリピンが0.75%、8月10日にはタイが0.25%の利上げを発表しました。フィリピンは今年4回目の利上げ、タイは今年初、17会合ぶりの利上げとなりました。自国の経済状況、インフレ、通貨の推移に加えて世界情勢や米国の金融政策なども警戒しながら、今後も難しい金融政策が続くと予想されます。
うち、タイの政策金利はこれまで長年にわたって過去最低水準の0.5%に据え置かれていましたが、今回は久々に0.75%へ引き上げられることとなりました。利上げの主要因のひとつが高インフレで、直近7月のCPIは前年同月比+7.61%と、3か月連続で7%台の高インフレ状態となっています。今後も高インフレがタイ経済にとって重石になりそうです。
インドネシアの自動車ショーでは、各社のEVシフトが目立つ
インドネシアで南アジア最大級の自動車展示会(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)が8月21日に閉幕しました。特にこのたびのモーターショーで目立ったのが、日系自動車メーカーを含め、各社のEV関連ブースの増加で、各社のEV強化の動きが明確に示されました。
いよいよインドネシアでもEVシフトが本格化してきたといえます。おりしもインドネシア政府は2060年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする、という目標を掲げています。今後もインドネシアでは、政府主導でEV推進が進められる見込みです。
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