アジア株週間トピックス 2023年11月20日号
2023.11.20 (月)
インドネシアでASEAN国防相会議が開催
11月15日からASEAN国防相会議を実施
11月15日より、インドネシア・ジャカルタでASEAN国防相会議が開催されました。この会議で議⾧を務めたのは、来年2月の大統領選挙にも立候補しているインドネシアのプラボウォ国防相で、大統領選挙に向けて存在感をアピールするよい機会になったといえるでしょう。国防相会議なので、国際紛争への対応が主要議題で、直近各地で起こっている紛争の早期終結に向けて話し合いが行われたようです。
ただ、今後アジア周辺国では、来年1月の台湾総統選挙、2月のインドネシア大統領選挙、3月のロシア大統領選挙と大きな選挙が相次いでの実施予定と、政局が不安定化しやすい時期です。国際紛争の解決は後回しにされる可能性が高いとみています。
また、11月15日~17日には米国サンフランシスコでAPEC首脳会議が開催されました。インドネシアのジョコ大統領はAPECの日程に合わせて訪米、11月13日にバイデン大統領との主脳会談を実施しています。インドネシア・米関係を包括的戦略パートナーシップに引き上げることで合意したようです。今後の両国の結びつき強化につながると思われます。
なお、先週聴講した拓殖大学の国際講座の中で講師の名越教授は「このAPECで紛争解決に向けた何かしらの話し合いや米中首脳会談が行われるかもしれない」とおっしゃっていました。実際、今回のAPECでははっきりとした進展はみられませんでしたが、今後の進展を見守っていきたいと思います。
フィリピンは政策金利を据え置き
フィリピンは政策金利を6.5%に据え置き
11月16日、フィリピンは金融政策委員会を実施しました。前回は臨時政策員会を開催して0.25%の利上げを発表しましたが、今回は通常委員会で6.5%に据え置かれました。年初から続いていたドルに対するペソ安の流れはいったん鎮静化しており、ペソ安への懸念が和らぎ、このたびの金利据え置きにつながっていると思われます。
ペソの落ち着きはまだ安心できるレベルではありませんが、金融引き締めの流れはいったん止まっています。引き続き、フィリピンの金利動向に注目していきたいと思います。
マレーシアの2023年3QのGDP成⾧率は+3.3%
岸田首相が直近訪れた東南アジアの国は、フィリピンとマレーシアでしたが、そのマレーシアでは11月17日に2023年3QのGDP成⾧率が発表されました。結果は前年同期比+3.3%と、良いとも悪いとも言えないほどほどの状況でした。マレーシアの主力産業である電子部品が低迷しているなかで、マレーシア経済はけん引役不在の状況が続くと思われます。
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