アジア株週間トピックス 2023年2月27日号
2023.02.27 (月)
台湾の鉱工業生産が大幅減に
台湾の鉱工業生産指数、GDPともに落ち込み目立つ
2月22日に発表された台湾の2023年1月の鉱工業生産は、前年同月比-20.5%でした。5か月連続の前年割れで、リーマンショック後の2009年3月以来の水準となりました。特に電子部品やプラスチックなど台湾の主力産業で落込みが目立ちました。
また、同日に発表された2022年第4四半期(10~12月)のGDP成⾧率は前年同期比-0.41%と前年割れでした。前年割れとなったのは2016年第1四半期以来で、景気の低迷が鮮明になっているといえます。
TSMCは先行き慎重な見通しに
台湾を代表する企業のひとつにTSMC[台湾積体電路製造](ティッカー:2330)がありますが、今年1月に発表されたTSMCの決算では、足元の好調さと同時に先行き見通しの鈍化が示されました。増益基調が維持されている一方で、前四半期に比べると設備投資が減額されています。
ザ・台湾ともいえるTSMCの動向は、世界経済、半導体市況の先行きを考えるうえで参考にされる傾向にありましたが、今後はこれまで以上にTSMCの出すリリース、IR情報を注視しておく必要がありそうです。
「GOTO」の競合会社「グラブ」が予想を上回る売上高見通しに
「グラブ」の2023年の売上高見通しは22億~23億ドルに
2月23日、東南アジアの配車・宅配大手企業である「グラブ」は今年の売上高見通しを22億~23億ドルと発表し、アナリスト予想平均の19.7億ドルを上回りました。また、好調な売上高見通しに加えて、黒字化目標時期の前倒しも発表し、当初の2024年下半期から2023年第4四期に繰り上げました。
インドネシアの配車業界では「GOTO」の主要子会社のひとつである「Gojek」と「グラブ」がライバル企業としてシェアを競っており、この2社でほぼ市場を独占しています。経済活動の正常化、観光回復が業界と「グラブ」の先行きにとっての追い風となっており「GOTO」の見通し引き上げもありえるとみています。
なお、インドネシアでは2月16~26日の日程で「インドネシア国際モーターショー」が開催されました。イベントが終了した直後のため、期間中の販売台数など詳細なデータはまだ発表されていませんが、新型EVの発表など、各社とも攻めの姿勢への転換を鮮明に打ち出してきています。
同モーターショーを主催したインドネシア自動車工業会(ガイキンド)は、2022年の完成車輸出台数が前年比60.7%増の47.36万台と、これまでの過去最高だった2007年の33.2万台を大きく上回った、と発表しました。自動車産業の回復はインドネシア経済の正常化進展を示すシグナルのひとつといえます。
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