アジア株週間トピックス 2023年8月28日号
2023.08.28 (月)
ようやくタイの首相が決定
タイの新首相はタイ貢献党のセター氏に
タイで難航していた首相選びがようやく決着となり、セター・タビシン氏が新首相として国王から承認されました。セター氏はタクシン派のタイ貢献党で、タクシン氏の政治への影響力が依然強い事が示されたといえるでしょう。新首相は9月中には「大連立」政権を発足させる意向を示していますが、タイの政治が落ち着くまでにはもう少し時間がかかりそうです。当面は閣僚ポストをめぐって内部闘争が繰り広げられそうです。
なお、2023年8月21日にはタイの2023年第2四半期(4~6月)GDP成長率を発表しました。前年同期比+1.8%と、前四半期の+2.7%、予想+3.0%をともに下回りました。
また、8月25日に発表された2023年7月の輸出(通関ベース)は前年同月比-6.2%と、ブルームバーグ予想(-2.8%)を下回る結果でした。10か月連続の前年割れで足元のタイ経済も低迷しており、決して順風満帆とはいえない状況です。タイでは、政治のごたごたも含めて、経済の低迷が不安材料になると思います。
プリゴジン氏の自家用ジェット機が墜落
プリコジン氏のジェット機が墜落
ロシアの民間軍事会社 ワグネル社の創設者であるプリゴジン氏が乗った自家用ジェット機が墜落、プリゴジン氏を含む10人全員が死亡しました。詳細な事故原因はわかりませんが「撃墜されたのでは」「爆弾を仕掛けられていたのでは」など様々な憶測が強まっています。
プリゴジン氏がロシア政府に反旗を翻したことに対して、プーチン氏が制裁したのではないかとみられていますが、プーチン氏が事実を認めるとは思えず、ロシアの混乱は続きそうです。
ロシア中銀は主要金利を利上げ
8月15日、ロシア中銀は定例会合より1か月早いタイミングで緊急会合を開き、利上げを決定しました。主要金利は引上げ前の8.5%から12%になっています。今回の利上げ幅はウクライナ侵攻直後以降最大の大きさで、ロシアの焦りが感じられます。
ロシア当局が気にしているのがインフレと通貨ルーブルです。直近発表されている7 月のCPI(消費者物価指数)は4.1%と、あまり警戒するレベルではありませんが、問題は通貨ルーブルの下落です。2023年初から7月末までの通貨ルーブルの対ドルレートは23.8%下落と、通貨安が深刻になっています。8月14日には100ルーブル/1ドルを突破する場面もありました。利上げの直後には反発も見られましたが、その後は依然不安定な値動きとなっています。
次回の通常金融政策決定会合は9月15日開催の予定ですが、中銀は追加利上げの可能性もある、と示唆しており、次回以降の政策決定会合でどのような決定が行われるか当局の判断が注目されます。
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