ザ 語源 第5回 税金(TAX)
2022.02.03 (木)
第5回 税金(TAX)
2月、確定申告の時期がやって参りました。確定申告とは年間所得を申告し納税する手続きのことです。
会社員の多くの方は所属する会社が給与から所得税分を差し引いて源泉徴収額を計算します。会社員は年末に配布される源泉徴収票を使用し確定すべき納税額が再計算されます。大抵は払い過ぎた税額を還付するために行います。これが年末調整です。従業員の給与を「源泉」として税金を納めるので源泉徴収といいます。証券会社がお客様の株売買によって得られた利益を元に譲渡益を計算し確定申告を不要にするサービスは特定口座「源泉徴収有り」です。
地中から湧き出た温泉水を直接浴槽に供給することを「源泉かけ流し」といいます。株売買の利益や給料も湯水のように湧き出てくれると税収は増えるのですが、世の中そんなにうまくいきません。
税金は英語で「TAX」です。タクシー(TAXI)と綴りが似ていますが同じ語源です。TAXIは「TaxiMeterCab(タクシーメーターカブ);料金計算機付きタクシー」の省略形です。TaxiのTAXは「触れること」を意味するラテン語「tango(タンゴー)」が由来となっています。「tango(タンゴー)」は税額の対象となる不動産や収穫物に触れることで税額の対象を評価・計算する言葉「TAX」に変化していきました。歴史上いずれの国家も滞りなく徴税を行うことは重要課題でありました。
次に「税」という漢字の語源を探っていきます。「税」はのぎへんの「禾」と「兌」の左右に分解できます。「禾」は作物が実った姿の象形です。右側の旁(つくり)「兌」の意味は下の「兄」が長男を、上の「八」が「二つに分かれる様」という説が有力です。つまり「税」という漢字はせっかく実った収穫を二つに分けられ、国に徴収される姿が語源となっています。今も昔も税金を喜んで納める人はいないという事ですね。
税金はお金で納税するので「税金」と一般的に使いますがより堅く言うと「租税」です。「租」という漢字も左側ののぎへん「禾」と右側の「且」に分けられます。「租」と「税」どちらの漢字も左側にのぎへん(禾偏)がついています。お金が流通する前は穀物が租税(年貢)として民から徴収されていたことに由来します。禾は「税」と同じく稲が実った様子を表し、且は祭祀の際、神に捧げるための供え物(生贄)が台座に重ねられた姿を表しています。
古代の祭祀は時代を経るに従い権力者による政治に変わって行き、「租」という漢字は民が国に納めるもの、つまり租税を意味するようになりました。
ところで東京多摩地区東端に「調布市」があります。「調布」という市名は、古代日本の税制である「租庸調」の調(絹や布またはその土地の特産物を納める税制)で布を納めていたことに由来しています。
京王線調布駅の新宿方面隣駅には「布田」、調布市中心から多摩川の間には「染地」という布で税を納めていたことにゆかりのある地名が残っています。因みに京王線調布駅東口から徒歩1分内に当社「調布支店」があります。資産形成のご相談など是非お立ち寄りいただきたいと思います。
※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。
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