投資のコンシェルジュ 第2回 ドル円市場の見通し《2021年12月中旬~2022年1月中旬》(番外編)
2021.12.20 (月)
ドル円相場の見通し《2021年12月中旬~2022年1月中旬》
米市場「3つの懸念」払拭が焦点 2021年12月16日現在
米FRBは12月15日に金融政策決定会合の結果を公表。コロナ・ショック以降、金融市場への資金供給に資する毎月1,200億ドルの債券購入について、11月初旬の同会合で決定した11月からの150億ドル削減する金融緩和の縮小(テーパリング)を300億ドルへ増額、さらに、2022年中に利上げを開始する見通しを示し、金融政策の不透明感の払拭を金融市場は概ね好感、リスク・オンとなり、株価指数などが大幅高をみせた。
ドル円市場は、これが米国金利の上昇=日米金利差拡大につながる、とみてドル買いで反応。11/24高値115.49円以来、オミクロン株によるコロナ再拡大への警戒感でリスク・オフが強まって113円前後での調整を余儀なくされていたドル円は足元で25日移動平均線を超えて、再び上値を窺う様相だ。
12月の米金融市場の「3つの懸念」、①金融政策の行方、②連邦債務上限法案の可否、③1.75兆ドル財政支出法案(家族プラン)の可否、のうち、①の不透明感が解消され、一方で、同じく15日に②法案が23年初めまで政府の借り入れ権限を延長させる2.5兆ドル引き上げで可決。米国債のデフォルトや政府閉鎖の懸念が払拭された。
そして、残る③の成立可否が焦点。年内成立へ向け、バイデン大統領が自ら民主党内で財政拡張に反対する穏健派有力議員の説得にあたっており、16日現在、法案内の1つの税額控除案(子供のいる家庭の税額控除の1年延長)の削除で議論が行われている模様で、妥協点が絞れてきた印象。可決は「景気拡大の加速=金利高」の連想から、ドル円の一段高につながるとみる。
《図5.ドル円》をみると、2017年3月に115円を割り込んで以来、2021年11月、約4年8か月ぶりに115円台を回復したドル円は、2016年12月12日高値118.66円までローソク足がない「空白地帯」であり、米国の「3つの懸念」払拭となれば、2022年1月中旬にも118円水準へ到達する可能性は高まる。さらに、米利上げを見込む22年央には120円台乗せの展開を予想する。
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