マーケットのミカタ 年末ラリー期待の高まり
2022.11.02 (水)
年末ラリー期待の高まり
カナダ中央銀行は金融引き締め減速の兆し
昨年夏ごろから加速している世界的なインフレに対して、各国の中央銀行は年初より政策金利の引き上げを実施してきましたが、足元では金融引き締めが徐々に減速する兆しも見え始めています。まずは、主要国の政策金利の推移を見てみましょう。
10月26日にカナダ中央銀行は、市場で0.75ptの利上げが予想されていたなかで、予想を下回る0.5ptの利上げを実施しました。これを受けて市場では、他の中央銀行も利上げサイクルの終了が近づいているという期待が高まりました。
11月2日にFRB(アメリカの中央銀行)が、翌日3日にイングランド銀行が利上げを実施する予定ですが、内容次第では金融引き締め減速への期待が一層高まる可能性があります。
アメリカのインフレを牽引してきた家賃は来年早々に低下する可能性
現在株式市場では、アメリカのインフレ見通しとFRBの金融引き締め動向に大きな注目が集まっています。インフレが明確にピークアウトすることを示す経済指標はまだ出てきていないものの、インフレを牽引してきた住居費については来年早々に低下していく可能性があります。まずはアメリカの住宅着工件数と都市部の住宅価格指数の推移を見てみましょう。
8月のケースシラー20都市住宅価格指数は前月比で-1.32%となり、市場予想の-0.8%を上回る下落幅となりました。住宅ローン金利の高騰や経済の落ち込みを考慮すると、住宅価格の下落は当面継続する可能性があります。
また住宅着工件数も減少傾向にあります。これらの先行指標が悪化していることから、遠くない将来に、住居費の低下とインフレ上昇圧力の緩和をもたらす可能性があります。
インフレが落ち着く可能性や各国の中央銀行が利上げを減速させる可能性が高まれば、株式市場が年末にかけて上昇していく「年末ラリー」が到来することも期待できそうです。
※本記事は11月1日時点の情報を基に作成しています。
- 当記事は、アイザワ証券のラップサービスの一つ「スーパーブルーラップ」のファンドマネージャーである三井郁男が作成したレポートを、添田恭平が再構成したものです。
- 「スーパーブルーラップ」の詳細はこちらから
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