ザ 語源 第11回 金利(インタレスト)
2022.08.12 (金)
金利(インタレスト)
「インタレスト(interest)」には、「興味」という意味の他に「金利」という意味があります。(正確には「利子」であって「金利」は「インタレスト・レート:interest rate」です。)
なぜ「インタレスト」には、「興味」と「利子」という日本語では一見関係のない2つの意味が含まれているのでしょうか?今回はその語源を明らかにします。
「インタレスト:interest」は「inter:~の間に」+「est:存在する」が語源で、ヨーロッパ古代から中世においては「利益」という意味で使われていました。古代ヨーロッパ人は、人々の間に真に存在しているのは信頼や絆よりも「利益」であると見抜いていたのかも知れません。その後「利益」という意味は「利子」に変化していきました。さらに、「インタレスト」が「興味」という意味も有するようになったのは近代と考えられています。人々が最も「興味」を示すものは何か?それは「儲かる話」、「利益」だからです。
つまり「インタレスト」の語源は、「利益」「利子」が先で「興味」という意味を持つようになったのは後ということになります。
次は、「金利」「利子」「利息」の違いや使用のされ方などを見ていきます。「金利」はお金の貸し借りの際、お金を借りた側が貸した側に支払う「利子」の元本に対する比率(%)です。「利子」とほぼ同義語として「利息」があります。どちらもお金の貸し借りの結果生じる対価・使用料を表していますが、少し違いがあります。
「利息」と「利子」の違いは簡単に言うと払う側か貰う側かという立場の違いです。お金の貸し手が借り手から受取る場合には「利息」を使います。反対にお金の借り手が貸し手に支払う場合には「利子」を用います。また「利息」は一般的に銀行預金で使われ、「利子」はゆうちょ銀行において使われます。因みに金融機関に預けるお金についても銀行・信用金庫では「預金」、ゆうちょ銀行では「貯金」と言い、両者に違いがあります。
お金を預けるとなぜ金利が発生するのでしょうか?お金はタダで借りられません。お金を借りる側は使用料を払う必要があります。金利はお金のレンタル料とも言えるでしょう。借入れたお金の対価・使用料はやはりお金です。商品自体(例えば貴金属)は商品を生みませんが、お金はお金を生むのです。
日本ではゼロ金利が長く続いており、銀行預金に金利がつくというイメージはゼロに近いと思います。しかし日本でもいずれ日銀が目指すインフレ目標が恒常的に達成されるようになり、お金がお金を生むという実感を得られる日が来るでしょう。
※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。
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