なぜなにワード解説 東京証券取引所の売買制度の変更って?
2024.11.06 (水)
東京証券取引所の売買制度の変更って?
東京証券取引所は取引機会の最大化や利便性向上のため、2024年11月5日より売買制度を変更することを発表しました。主な変更点は取引時間の延長とクロージング・オークション導入の2点ですが、今回はこれについて簡単にご説明いたします。
従来の取引時間は、前場が9時から11時30分、後場が12時30分から15時でしたが、後場が30分延長され、12時30分から15時30分までとなります。さらに終了5分前の15時25分からクロージング・オークションの受付が始まります。
クロージング・オークションは終値形成における透明性向上を目的とするもので、15時25分から5分間の注文受付時間(プレ・クロージング)を設けた後、15時30分に板寄せが行われ大引けとなります。ザラ場取引は15時25分に終了し、一旦株価は動かなくなります(板寄せはされません)。注文受付時間(プレ・クロージング)の5分間は、新しく注文を出すことや、すでに出ている注文の変更(一部制限あり)・取消が可能です。分かりやすく言うと、クロージング・オークションは寄り付きまでの時間帯とほぼ同じような流れとなります。
また大引けの板寄せでは、さらなる売買ニーズに応えるため、「特別約定」が導入されます。現行の板寄せがされない取引であっても、条件を満たせば値幅制限内で約定するようになります。ただし、特別約定は時間優先が適用されますので、成行注文でも約定しないことがあります。
東京証券取引所は、市場環境の変化やニーズに合わせて対応し、利便性や国際競争力を高めていくことを公表しているので、今後もこのような変更が引き続き出てくることが考えられます。
参考(※外部リンク)
JPX「現物市場の機能強化に向けた取組み(取引時間の延伸等)」
JPX「パブリック・コメント」
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