
投資と融資の違いとは?それぞれの特徴を踏まえて解説
2024.09.11 (水)




企業が資金調達する際、大きく分けて「投資」と「融資」があります。
「投資」と「融資」は、言葉は似ているものの資金の提供者や返済義務の有無など大きく異なります。違いを知ることで、そもそも投資とは何なのか、企業がどのように資金調達しているのか理解した上で投資することができます。
そこで今回は、投資と融資の違いについて解説します。
投資と融資の違い

結論から言うと、投資は「利益を見込んで資金を出すこと」、融資は「利息を付けて資金を貸すこと」を指します。
ここでは、投資と融資の具体的な違いについて、4つのポイントに分けて解説します。
違い1.資金の提供者
投資と融資では、そもそも資金を提供する主体が異なります。投資は、ベンチャーキャピタル・機関投資家・個人投資家などによる資金提供が主です。必ずしも投資のみを生業としているとは限らず、「企業や事業を応援したい」「少しでも資産を増やしたい」といった気持ちで投資を行っている個人の方も該当します。
融資は、主に特定の機関による貸し付けのことです。銀行や信用金庫など金融機関のほか、日本政策金融金庫や自治体、商工会議所などの公的機関による貸し付けも含めます。
違い2.資金提供の目的
投資や融資を通じた資金提供は慈善事業とは異なり、将来的なリターンを見込んで資金を出すことです。応援したい気持ちで資金を提供している投資も、見返りとして株式や持株比率によっては共同経営権などを獲得しています。
株式を取得する場合は配当金・株主優待のほか、株価が上昇したタイミングで売却して利益(キャピタルゲイン)を得ることを期待している投資家もいます。
融資は、契約時に定めた利息を受け取り、利益を獲得することが目的です。
違い3.返済義務の有無
投資は資金を自己資本にできるため、資金提供を受けた事業者に返済義務はありません。
返済義務があるのは融資です。金融機関や公的機関から融資を受けるとき、法人や個人事業主などの事業者は、利息や返済期間に同意した上で契約します。元本と利息を、毎月決められた金額で返済する義務があります。
違い4.財務諸表上での扱い
財務指標への影響の違いも、大きな特徴です。前述の通り、投資で得た資金は事業者の自己資本にできるため、貸借対照表では純資産の増加として扱います。
一方、融資は返済義務がある資金です。貸借対照表など財務諸表上でも、負債(借金)として扱い、計上しなくてはなりません。そのため負債比率が増加し、財務指標が悪化するおそれがあります。
投資と融資それぞれの特徴をチェックしよう

より深く投資と融資の違いを理解するために、それぞれの特徴を解説します。
投資の特徴
投資の資金提供者は、ベンチャーキャピタル・機関投資家・個人投資家など種類も目的も様々です。
ベンチャーキャピタルとは、投資の見返りとして得た株式を、価値が高まったタイミングで売却して利益を得ることを事業としている企業です。未上場のうちに株式を取得して上場後に売却するため、場合によっては投資した先の倒産・廃業によって利益を得られなくなるリスクもあります。
機関投資家は、個人や企業から預かった資金を株式や債券などで運用する企業や団体のことです。具体的には、銀行や保険会社、年金基金、投資信託運用会社、投資顧問会社などを指します。機関投資家は、巨額の資金を運用するため、市場へ大きな影響を与えます。
個人投資家は、本業や副業として投資を行っている個人のことです。ベンチャーキャピタルのように株式の売却益を狙って資金提供する方もいれば、「この企業が好きだから」「夢がある事業に投資したい」と資金提供する個人投資家もいます。
返済義務がない
前述の通り、提供した資金は自己資本扱いとなるため、事業者側に返済義務は生じません。融資のような利息を支払う必要もなく、経営者は得た資金を最大限、事業に活用できます。
返済義務がない点は、事業者にとって大きなメリットです。仮に事業で失敗したとしても提供を受けた資金を返済する必要がなく、リスクを負わずに済みます。
一方、投資家にとっては資金の提供先の経営状態が将来的な利益に直結するため、投資先を慎重に選ぶ必要があります。
無担保で資金が得られる
企業や経営者の信用力が融資ほど重視されない点も、投資ならではの特徴です。投資の見返りに株式および株式に付随する権利を提供するため、他の担保を用意する必要がありません。
投資を判断する要素は、事業の成長性や将来性です。投資家が「これは売れる」「将来的に伸びる」と判断すれば、事業主は無担保で資金を得られます。
投資家からアドバイスを貰える
投資家が利益を得るためには、投資先の事業者に成功してもらうことが大前提です。投資先の事業が成功して利益成長すれば、利益に応じた配当金が期待できるのみならず、キャピタルゲインの獲得につながる可能性が高くなります。
ベンチャーキャピタルや機関投資家の目的は、資金提供で投資収益を最大化することにあるため、企業価値の向上や持続的成長を促すために、投資先企業と対話することもあります。知見をもった投資家であれば投資先に対し、具体的な戦略を提案したり、有益なアドバイスを提供したりすることが可能です。
個人投資家から投資を得られる可能性が高い
資産運用への関心が高まっている現代において、個人投資家は右肩上がりで増え続けている状態です。上場株式への投資もそうですが、株式投資型クラウドファンディングのサービスも多く登場しており、知名度の低いスタートアップでも資金を得やすい環境が整っています。
株式投資型クラウドファンディングとは、非上場の事業者がインターネット上で複数の投資家から少額ずつ資金提供してもらう方法のことです。一口数万円程度から投資できるため初心者の個人投資家でも始めやすく、事業者にとっても資金を集めやすいメリットがあります。
融資の特徴

融資は、大きく分けると民間融資と公的融資の2種類です。民間融資には、銀行や信用金庫のほか、クレジットカード会社や消費者金融などのいわゆるノンバンク系からの貸し付けも含まれます。公的融資は、日本政策金融公庫や自治体など公的機関からの融資です。
それぞれどの機関やプランを利用するかによって、審査の難易度や利息の料率、利用できる対象者などが異なります。
民間融資や公的融資には、3つの特徴があります。
第三者が経営などに介入しない
ときには共同経営権を得る投資家とは異なり、融資の場合は銀行などの第三者が経営に介入することは基本的にありません。
資金提供者は、事前の審査で経営の安定性や事業計画の実現性などを確認します。通常、融資では将来的な成長性よりも返済の確実性を優先します。資金提供の見返りに株式を獲得することもないため、事業主にとっては、関与される心配なく経営できるメリットがあります。
まとまった資金が確保できる
融資は、一度の申請でまとまった資金を得たいときに適しています。
融資は必要な金額で申し込んで、審査に通過すれば資金を得られる方法です。融資の種類ごとに申し込める対象者や上限額が決まっている場合もあるものの、審査にさえ通過できれば、目標どおりのまとまった資金を得られます。
信用状況に問題がなければ、より多くの資金を調達できます。
個人事業主でも資金を得られる
融資の対象には、法人のみならず個人事業主も含まれます。例えば、公的機関が提供している融資の中には、若年者や女性事業主など、特定の層を対象としたプランもあります。
個人事業主は法人に比べると信用力が低く、事業資金の調達が制限されやすいことが特徴です。しかし、融資であれば要件を満たしていれば審査に申し込めます。
ただし個人事業主が融資を申し込む場合は、開業届を管轄の税務署へ届け出ていることと、確定申告を行っていることが求められます。
まとめ
投資と融資には、資金提供を行う側にとっても、調達する側にとっても複数の違いがあります。投資は将来的な利益を期待して第三者に資金を融通することを指し、融資とは銀行などの金融機関が利息の獲得を目的として資金を貸出すことを指します。これから資産運用を検討している方は、投資と融資の違いや企業がどのように資金調達しているかを理解した上で投資に挑戦してみましょう。
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