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資産形成

"ゼロ”から始める資産形成の心得 「考えよう」から「始めよう」へ

2021.08.30 (月)

アイザワ証券 事業推進部

榮 隆朗

2019年6月の金融庁・市場ワーキンググループ報告書において、「老後資金の必要額は2000万円」とする旨の記載があったことが大きな話題となりました。通常、退職後には国民年金・厚生年金等が受給できますが、これとは別に2000万円を自身で用意しなければならないというものです。

私たちは今を生きるために日夜働いて給与を得ていますが、その上で退職後に向けた資産も準備しなければならず、今からの資産形成が必要です。しかし、
銀行にどんどん貯めていくだけでは資産形成にはならないの?
藪から棒に資産形成と言われても、何から始めたら良いのか分からない
資産形成をするのに、自分も運用について勉強しなきゃいけないの?
といった、様々な疑問が出てくるのではないでしょうか?

将来の豊かな生活のために、これらの疑問について解説したいと思います。

銀行預金では資産形成にはならないのか?

かつては金利が5%を超え、銀行に預ければ自ずと資産が増える時代もありましたが、1991年のバブル崩壊を契機に金利は低下の一途を辿っており、現在では普通預金で0.001%、定期預金で0.002%(*1)という超低金利の状況となっています。それに対して物価は20年で平均0.1%、この10年では平均0.5%(*2)上昇しています。また、日本銀行は年2%の物価上昇率目標を掲げており、今後も物価の上昇を避けて通ることができません。

たとえば100万円のお金があった場合、定期預金に5年間預けても利息は合計で100円しか付きません。一方で、価格が100万円の車があった場合、日本銀行目標の年2%で物価が上がり続けた場合、5年後に価格は110万円まで上昇します。預金で額面は増えても物価上昇に追いついておらず、結果として資産は目減りしていることになるため、資産形成によって少しでもお金を増やす努力をする必要が生まれてくるのです。

どうやって資産形成していけば良いのか?

資産形成の手段として「投資信託」を用いる方法があります。投資信託とは投資する資金を預け、実際の運用はプロのファンドマネージャーが行う金融商品のことです。一般的に投資信託は一つの投資信託で何十、何百もの資産に投資するため、リスクが分散され、安定化を図ることができます。

もちろん、個別の株式等で資産形成をしていく方法もありますが、1つ、2つの銘柄で運用していくのは大きなリスクが伴いますし、そもそも仕事や家事など普段の生活が忙しくてなかなか資産運用に時間を割けないという方も多いと思います。そのような方でも、投資信託は長期でも安定した運用を行うことができます。

現在、政府から資産形成を後押しする制度として「個人型確定拠出年金(iDeCo)」や「つみたてNISA」が導入されており、毎月の定額買付方式によって投資信託を購入する方が増えています。企業によっては、退職金を積み立てて資産形成をしていく「企業型確定拠出年金」を採用しているところもあります。

資産形成においてはより多くの時間を使い、複利効果によって資産を増やすことも大切です。たとえば、毎月3万円ずつ30年積み立てた場合、毎月4.5万円ずつ20年積み立てた場合、毎月9万円ずつ10年積み立てた場合で、累計で積み立てる金額は同じですが、より長い年月をかける方が大きな成果となります。これから資産形成を始めようと考える方は、早め早めのスタートを心がけると良いでしょう。

次回は、積み立てによる資産形成の効果について、具体的な試算をもとに紹介していきたいと思います。

*1)ゆうちょ銀行 金利一覧より引用 (https://www.jp-bank.japanpost.jp/kinri/kinri.html)
*2)日本銀行 2021年7月21日公表データ 消費者物価指数 全国総合(除く生鮮食品)より算出(https://www.boj.or.jp/statistics/pub/sk/data/sk5.pdf

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ライター

榮 隆朗

アイザワ証券 事業推進部

榮 隆朗

2017年アイザワ証券入社。相模原支店、名古屋コンサルティングプラザでリテール営業を経験したのち、2021年より投資顧問部へ異動。ラップサービスに関わる業務に携わる傍ら、将来のファンドマネージャーとなるべく自身でも猛勉強中。その後、システム部に異動しその経験を経て現在は事業推進部に所属。

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