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資産形成

"ゼロ"から始める資産形成の心得 「積立イメージ」から「将来イメージ」へ

2021.10.11 (月)

アイザワ証券 事業推進部

榮 隆朗

第1回において、資産形成は積み立てによる長期投資によって効果が表れることをお話ししました。今回は、実際にどれだけ積み立てを行うことにより、どれだけの運用成果が期待できるかのシミュレーションを行っていきたいと思います。

「1億円」積み立てのシミュレーション

その前に、皆さんは「億り人」という言葉を聞いたことがありますか?

億り人」とは、2008年に公開された映画「おくりびと」をもじったもので、投資が上手くいき金融資産(現金・預金・株式等の有価証券の総額のことを言います)が文字通り1億円を超えた人のことを言います。2017年にビットコインをはじめとする仮想通貨取引が話題となり、大きく値上がりした頃からメディアでも「億り人」について取り上げられるようになりました。

インターネットで「億り人」と検索すると、株式や仮想通貨で「〇億円稼ぎました」といった人のインタビュー記事などが多く見られますが、やはり個別の銘柄では大きなリスクが伴い、そのリスクを負った結果として大きなリターンを得たものです。言い換えると、記事などでピックアップされる人たちの裏で、資産が値下がりして多大な損失を被った人たちも多くいるということです。

では、「億り人」は大きなリスクを負った結果で、リスクを抑えた積立投資で「億り人」になることはできないのか?

結論から言うと、「不可能ではありません」。

1億円になる運用成果を期待するにはどのようなプランで積み立てて行けばよいのか、表とグラフをもとに作成してみました。それでは実際に見てみましょう。

毎月6万円から積み立てを始め、1年経つごとに1万円ずつ積立金額をアップしていきます。そうすると14年目には毎月19万円になりますので、それ以降は据え置きで、30年目になるまで毎月積み立てていきます。年利回りを4%と想定した場合、
このように積み立てて行くと、夢の「億り人」になれる可能性がグッと高まります。
いかがでしょうか。

‥‥と、このまま終わってしまうと総ツッコミを受けることになると思います。

月に15万円も19万円も積立に回せるわけないじゃないか!
20代30代で月6万円なんて高過ぎるじゃないか!

と言いたくなる方も大勢いるでしょう。
確かに「億り人」を目指すのは「不可能ではありません」と言いましたが、それを実現するのに必要な積立金も膨大になり、あまり現実的でない拠出額になってしまいます。
また、「老後2000万円問題」とあるように、あくまで年金以外で必要な金額は2000万円を目安とされており、元手資金の時点で5000万円以上というのは資産形成の趣旨から外れてしまっていると言っても過言ではありません。

「2000万円」積み立てのシミュレーション

そこで、今度はこの「老後2000万円問題」に焦点を当て、現実的な金額でシミュレーションを行いたいと思います。(全て30年間、年利回り4%を想定してシミュレーションしています) 。

今度はいかがでしょうか。
これならできるかも」と思える人も少なくないのではないでしょうか。
いくつかのパターンを提示しましたが、これらを見ると、やはり早めに資金を多く積み立て、複利効果を活用することでより多くの成果が期待できることがわかります。
今回は30年を想定してシミュレーションしましたが、年齢に合わせて40年、50年と長く設定でき、その分より絶大な複利効果も期待できます。

なお、資産形成は「老後資金を作ること」を目的にするものとは限りません。

車を買いたい」「マイホームを建てたい」「子供の学費を蓄えたい」といった様々なライフイベントに対して目標金額を決め、5年、10年、20年と期間を定めていくことで、だいたいどのくらい積み立てていけばよ良いのか見当をつけることができます。
将来の豊かな生活のために、少しでも資産形成に目を向けて、実際に始めていきましょう。

このシミュレーションが、資産形成のイメージ作りに少しでもお役に立てられれば幸いに思います。


※本シミュレーションにおいて、投資にかかる費用、税金等は考慮していません。また、仮定に基づくものであり、特定の商品による運用成果を保証・示唆するものではありません。
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ライター

榮 隆朗

アイザワ証券 事業推進部

榮 隆朗

2017年アイザワ証券入社。相模原支店、名古屋コンサルティングプラザでリテール営業を経験したのち、2021年より投資顧問部へ異動。ラップサービスに関わる業務に携わる傍ら、将来のファンドマネージャーとなるべく自身でも猛勉強中。その後、システム部に異動しその経験を経て現在は事業推進部に所属。

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