シミュレーションを活用して、自分に合った資産形成を
2025.01.21 (火)
初めて投資や資産形成をする方の中には、その方法に「正解」を求める傾向があるように感じています。ですが、資産形成は十人十色。みな同じではありません。
つまりはご自分に合った資産形成の方法があるのですが、初心者にとっては、いきなり「自分に合った方法」と言われても戸惑うことでしょう。そこで今回は、マネープランを立てたり投資をしたりする際に活用できるシミュレーションツールをご紹介しましょう。
ライフプランありきの資産形成
お金の使い道や使い方は、一人ひとり、世帯ごとに違います。同年代や同じような家族構成でも、家計の状況が同じとは限りません。また、お金や人生に対する考え方・価値観も同じではないでしょう。
みなさんに共通の「正解」ではなく、世帯ごとに「最適解」があると考えると良いかもしれません。あなたの人生は、何もかも他人と同じではありませんよね。まずは、日々の暮らしを踏まえ、将来の夢などを描いて、ライフプランを立てます。ライフプランを実現するためには、どのようにお金を稼ぎ、貯めて殖やして使っていくか、という計画がマネープランです。
マネープランは、ご自身を取り巻く状況を踏まえて立てましょう。収入や支出の見込みからお金の流れ(キャッシュフロー)を見ていきます。キャッシュフローを表やグラフにすると、お金を使う時期や使える金額が明確になるため、資産作りの目標や目安を立てやすくなります。支出の優先度も決めやすくなるでしょう【グラフ】。
ライフプランのシミュレーション
最近は、WEBサイト上で簡単な質問に答えればマネープランを立てられるツールが増えました。公的な機関や金融の業界団体が運営するサイトをご紹介しましょう。
●金融庁「ライフプランシミュレーター」
ご自身やご家族の現在の収入・支出などの情報や、将来の計画を入力し、将来の家計収支をシミュレーション。結果はグラフで確認できます。●NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会「ライフプラン診断」
9つの質問に答えると、1万ケース以上のライフスタイルから将来の家計を診断してくれます。●知るぽると(金融広報中央委員会)「ライフプランシミュレーション 生活設計診断」
年齢や年間生活費、収入・支出のほか、結婚・出産・退職など将来のことを入力すると、ライフプランの結果が表示されます。ライフプランの作成に不慣れな人でも使える工夫が施されています。●公益財団法人 生命保険文化センター「e-ライフプランニング」
自分の情報を基にして人生の夢や目標を掲げ、収支・試算表や保険一覧表、ライフプラン表を作成できます。●日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」
学生生活のマネープランを立てる「学生生活費シミュレーション」と、年収等を入力して奨学金の対象となるか、対象になるなら毎月どれくらいの奨学金が受けられるかを大まかに調べる「奨学金シミュレーション」があります。
資産形成や投資に役立つシミュレーション
立てたライフプランを実現させるために、どのように資金準備をするかを考える際に役立つサイトを集めました。
●金融庁「つみたてシミュレーター」
積立金額、想定利回り、積立年数を入力すると、運用結果を試算できます。●知るぽると(金融広報中央委員会)「資金プランシミュレーション」
「毎月いくらずつ積み立てれば目標額を達成できるか」や「一定期間同じ金額を支出し続けるにあたって、物価上昇率を織り込むと総額はいくら必要か」「毎年一定額を取り崩すために必要な預貯金の元金はいくらか」などが計算できます。●日本証券業協会「金融商品相性診断チャート」
フローチャートに答えていき、自分と相性のよさそうな金融商品を診断してくれます。金融商品選びに迷ったときに良さそうです。●金融経済教育推進機構(J-FLEC)「資産形成タイムトラベル」
過去のデータを用い、「あの時投資をしていたらどうなっていたか」という資産形成が体験できます。ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を自分で考え、最大 20 年間の積立運用の結果をシミュレーションできます。
老後のマネープランに役立つシミュレーション
老後の生活資金計画を立てる際は、投資の前に、まずは公的年金の受給額を試算します。その上で不足する金額を積立投資で準備すると良いでしょう。
●日本年金機構「ねんきんネット」
ご自身の年金記録の確認や通知書の閲覧等、年金情報の確認ができるサイトですが、年金の見込額の試算もできます。●厚生労働省「公的年金シミュレーター」
上記の「ねんきんネット」より簡単な操作で年金受給額を試算できます。今後の働き方や受給開始年齢を変えて、複数のパターンで試算して比較すると良いでしょう。●企業年金連合会「年金試算シミュレーション」
年金原資(脱退一時金相当額、残余財産分配金、個人別管理資産)を企業年金連合会に移換している人のためのツール。ご自身の情報を入力すると、「通算企業年金」の年金額を試算できます。
マネープランは定期的に見直しを
ご紹介したサイトは、運営機関によって特徴が異なります。同じようなツールに見えますが、いろいろ試してみると良いでしょう。
もしかすると「先のことは分からない」と反論されそうですが、それはごもっともです。だからこそ、マネープランは定期的な見直しが大切です。一度立てた計画を、未来永劫固く守り続ける必要はないのです。また、一度設定した積立金額や投資対象、それらの資産配分はずっと同じにせず、家族の状況や経済環境が変わったら、その都度、見直しましょう。
記事提供:DZHフィナンシャルリサーチ「いまから投資」(https://imakara.traders.co.jp/)
ご留意事項
免責事項
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、お客様ご自身による判断でお決めください。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に応じて予告なく変更することがあります。このレポートの権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようにお願いいたします。