アジア株週間トピックス 2022年12月12日号
2022.12.12 (月)
インドネシア「GOTO」について
「GOTO」下落要因は?
前週号のアジア株週間トピックスで「GOTOゴジェック・トコペディア(GOTO)」の下落について、需給悪化への懸念は最終局面にある、との見解を書きましたが、その後も下げ止まらず安値更新が続いています。
下落の主要因は、11月30日のロックアップ期間終了に伴なう売りや、企業業績の先行きに対する不安などがあると思われます。
前週号では、主要戦略投資家であるアリババやソフトバンクグループと、ロックアップ期間解除以降の売り出し案などについて協議したことについて触れましたが、協議は難航している模様です。
主要戦略投資家からの追加放出でさらに需給が悪化するのでは、との懸念が拡がっているようです。
決算発表で収益状況への不安、需給悪化への懸念が払拭されるかどうかに注目
なお、同社は2023年2月15日に2022年の業績発表を予定しています(確定している日程ではありません)。
直近11月に発表された2022年第3四半期決算は赤字拡大となりましたが、次回発表される決算で改善がみられるかが注目されます。
11月18日には、1,300人の社員を削減する、というリストラ案を発表しました。コスト削減効果につなげることができるか注目されます。
今後、同社株がいつ反発するか明確には予想できませんが、反発の時期は着実に近づいていると思います。
インドネシア政府が推進しているデジタル経済において同社は不可欠な存在で、今後も同社が活躍する場面が増えてくるとみています。
インドの政策金利は5.9%から6.25%に
インドは5会合連続の利上げを決定
12月7日に、インド準備銀行は金融政策委員会を実施、予想通り利上げを決定しました。引き上げ幅は0.35%と前回までの0.5%より小幅でしたが、5会合連続の利上げとなります。12日に発表される予定の11月CPI(消費者物価指数)は6.34%と、前月の6.77%より伸びが鈍化すると予想されており、以前に比べるとインフレ懸念は少し和らいでいますが、まだ安心できる状況ではありません。インフレ抑制のために利上げをする、という流れはしばらく続きそうです。
なお、12月8日に日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催するセミナーに出席してきました。そのセミナーは、「米国」「中国」「アセアン」「インド」の4つの事務所⾧が、それぞれ現地の現状、今後の注目点などについて説明する内容のセミナーでした。ジェトロのセミナーなので、おおむね、「現地の景況感」や「日系企業が現地に進出する際の注意点」などを解説するのが主目的で、株式に関する話はありませんでしたが、各国(地域)の話の中では特にインドの事務所⾧の自信が感じられました。
直近日本ではほとんど報じられていませんが、インドでの新型コロナ感染者数は1日当たり約160人程度と低水準で、国内では、新型コロナ問題はほぼ終わったというムードになっているようです。
インドに対する投資には制限が多く、現時点ではファンド以外にインドに対する投資はほぼできないことがネックですが、2023年以降は、制限緩和など徐々に変化が出てくる可能性があるとみています。
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