アジア株週間トピックス 2022年12月2日号
2022.12.02 (金)
タイが今年3回目の利上げを発表
タイが今年3回目の利上げを実施
11月30日にタイが金融政策決定会合を実施し、予想通りに利上げを発表しました。
このたびの利上げ幅は0.25%で、引き上げ後の政策金利は1.25%となりました。
利上げをしましたが、同社の政策金利は世界的に見ればかなり低い水準で、まだ引上げの余地はあると思います。
10月の輸出は、 20か月ぶりの前年同月比マイナスに
なお、11月28日にタイ商務省は10月の貿易データを発表しました。輸出額が前年同月比4.4%減の217億米ドルとなりました。同比での減少は20か月ぶりです。
この貿易関連の統計は米ドルでの発表であるため、タイバーツ/米ドルレートの10月のレートはバーツ安米ドル高で推移しており、通貨面の影響も出ていると思われます。
また、直近頻発している中国のデモ、中国経済の減速への懸念の影響も大きく、当面、タイの貿易統計は不安定な状況が続くと予想されます
安値更新が続いているインドネシア「GOTO」
インドネシアの 「GOTO」の安値更新が続く
以前、インドネシアで注目する大型IPO銘柄として「GOTOゴジェック・トコペディア(GOTO)」をご紹介しましたが、最初に紹介して以降、安値更新が続いています。直近の値動きをみると、不安になりますが、同社の目指している方向性、経営者の経営理念などは間違っておらず、国の目指しているデジタル社会推進にも貢献できる企業だとみています。
なお、11月18日には、社員数の12%に相当する1300人の削減を発表しました。人員のリストラに踏み切ったことで、中⾧期的なコスト削減につながるとみています。同社の収益はまだ赤字ですが、将来的な黒字化に向けた素地は整いつつあります。
また、直近大幅安の要因として、11月30日のロックアップ期間終了にともなう売出しに対する不安があります。実際、10月20日には、主要戦略投資家であるアリババやソフトバンクGが保有する株式の売却案について協議したことを明らかにしました。
大口投資家の売りによる需給悪化は同社株の懸念材料のひとつとなっていますが、現水準でこれら戦略投資家が売り出すとは考えにくく、需給悪化への懸念は最終局面にあると思います。
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