ザ 語源 第15回 かきいれどき
2022.12.07 (水)
かきいれどき
米国では毎年11月第4木曜日、感謝祭の翌日の金曜日から12月25日のクリスマスまで1か月間に渡り年末セールが実施されます。
セール初日は「ブラックフライデー」といいます。「ブラック」というと「ブラックサーズデー(暗黒の木曜日、1929年)」や「ブラックマンデー(暗黒の月曜日、1987年)」が世界的・歴史的な株価大暴落だったことから、なにか不吉なことを思い浮かべてしまいます。
この日は年間で最も小売店が繁盛する期間の初日なので売り上げや利益が大きく期待できることから、すべての小売店が「黒字」になるという意味で「ブラックフライデー」と呼ばれるようになったのですが、元々の由来はやはり「暗黒」でした。
「ブラックフライデー」を最初に名付けたのは米国フィラデルフィア州の警察官でした。年末セール初日、フィラデルフィアの繁華街は大勢の買い物客でごった返します。警官は街の交通整理で長時間勤務を強いられることになり、この日を「暗黒の金曜日」と呼ぶようになったのが始まりであったようです。
ところが米国の小売業界としては、一年を通じて最も売り上げや利益が期待できる特別な日が「暗黒」では縁起が悪いということで、この日を「黒字の」という意味に変更したのです。このような経緯で「暗黒の金曜日」が「黒字の金曜日」に転じたわけです
さて日本では年末など商売が盛り上がる時期を「かきいれどき」と呼びます。「かきいれどき」は漢字で「書き入れ時」と書きます。商人が帳簿(大福帳)に売上や利益を多く「書き入れる時」が年末などの繁忙期だったことが語源です。
「書き入れ時」はしばしば「掻き入れ時」と間違えて表記されることがあります。年末の縁起物とされる熊手(くまで)で「福を搔き集める」ことなどを連想してしまうことが誤表記の原因と考えられています。
※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。
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