ザ 語源 第13回 証券はなぜ英語でセキュリティーなのか?
2022.10.07 (金)
証券はなぜ英語でセキュリティーなのか?
「証券」は英語で「セキュリティー:security」です。また株券や債券など「有価証券」は「security」の複数形の「securities」、「証券会社」は「securities company」もしくは「securities」です。セキュリティーといえば「安全」や「保障」、「警備」、「防犯」をイメージしますが、なぜ「証券」や「有価証券」も「security」というのでしょうか?
それは、債券や株券など「証券」は文字通り保有者の権利を保障する「証(あかし)」だからです。
「security」はラテン語由来で接頭語の「se(セ):~離れて」と「cura(クーラ):心配」を合わせたもので「心配から離れた」が語源です。接頭語「se(セ)」を語源にもつ英単語は他にも「分離する(セパレート):separate」、「選択する(セレクト):select」、「秘書(セクレタリー):secretary」などがあります。心配を意味する「cura」は、後に「治療する、癒す」を意味する「cure(キュア)」に変化していきました。「cure(キュア)」を語源にもつ単語は、他にも「マニキュア:manicure(手のお手入れが語源)」があります。
次は証券の「証(あかし)」の漢字の語源を探ります。訓読みの「あかし」は、灯りを当てて物事をくっきり明らかにさせることから、「灯(あかり、あかし)」が語源と考えられています。
「証」という漢字の旧字は「證」ですが、「証」と「證」は中国古代においてそれぞれ異なる意味で使われていました。「証」は「ごんべん」の右側の旁(つくり)が「正」です。「正」は「まっすぐ進軍する」→「いさめる、ただす」が語源です。一方、「證」は同じく「ごんべん」に旁(つくり)が「登」です。「登」は臣下が階段を上り、主君に真実を言上することが元々の意味です。臣下が主君に報告することにウソや偽りは許されず、物事を明らかにする必要があったので「證」は「明らかにする」という意味に進化しました。中国において時代が下り「証」の、「いさめる、ただす」という意味を「證」が兼ねるようになったと考えられています。
ちなみに当社アイザワ証券も、少し前までは旧字である「藍澤證券」を使用していました。証券会社の使命はお客様に証券投資を通じ「儲けていただく」ことですが、少しずつでも安定的に資産を増やすお手伝いをし、「安心」を提供することも重要であると思います。
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